179話 面接で聞かれること 2

第181章

 機長はここでジュースをを飲んだ。

「うん、これでまた元気が出てきた。これからが長いからね。今のうちに元気をつけておかないとね」

 ここで藤枝もジュースを少し飲んだ。そして飲み終わるとさっそく機長にまた願い出た。

「ではお願いします」

「『あなたは家族と仲がいいですか』(Vous entendez vous bien avec votre famille?)」

「はい仲がいいです」

「それならだいじょうぶだね」

「よかったです」

「『ストレスにどのようにして対応していますか』(Comment gérez vous votre stress?)」

「マカロンのお菓子を作ったり食べたりすることです。そうすればストレスがなくない気分がよくなります」

「なに、君はマカロンのお菓子が作れるの?」

「はい。ただまだマカロナージュが上手ではありませんけれど。私は今、高校が終わった後フランス洋菓子店でマカロンを作るアルバイトをしているのですが、店長からマカロナージュがへただといつも言われていますので」

「しかしマカロンのお菓子が作れるとはすごいことだよ。フランス海軍のパイロットにとってマカロンのお菓子は命よりも大切なものだからね」

「どうしてですか」

「フランス海軍のパイロットバッジ授与式のことをマカロナージュ(MACARONNAGE MARINE)というからだよ」

「そうだったのですか」

 ここで藤枝は独り言をつぶやいた。

「それで申し込む時にマカロンのお菓子も提出したほうがいいと言われたのかあ……」

「だから君はフランス海軍のパイロットからするとすごいことをしているのだよ」

「でしたら、なるべく早くマカロナージュが上手にできるように努力します」

「そうだね」

「では次の質問をお願いします」

「はいよ。以上ここまでの質問はごくごく一般的な質問だ。しかしこれからの質問は海軍パイロットに関する専門的な質問になるからね」

「あまり難し質問でなければいいのですが。ではお願いします」   つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る