170話 体力試験すべて終了
第172章
藤枝とジャンヌの二人はプールから自分たちの宿舎に歩いて戻っていった。宿舎の部屋の中に入ると藤枝は自分のベッドに寝転んでしまった。それを見たジャンヌが言った。
「疲れたの?」
「はい、とても」
「これから昼食だから、また元気になるよ」
「そうですね。それにして今日の体力試験大変でした」
「そうだったね。あたしも疲れたよ」
「まずは腕立て伏せ。これ懸命にしたため両方の腕の関節がまだ痛いですよ」
「腕立て伏せは海軍に入隊してからも毎日やらなくてはいけないみたいだよ」
「そうですね。これくらいで参っていては持ちこたえられませんね」
「そうだね」
「それにロープクライミング。これは手のひらがひりひりしますよ。途中で滑ってしまったので。それで手のひらの中がすれてしまいましたので」
「握力を鍛える必要があるね。そうしないとロープをしっかり握っていることができないからね」
「そうですね。それにあのバメバル。最後はもう必死でしたよ」
「どんどんピーと鳴る音が速くなっていくからね」
「だからほとんどかけっこでしたね、最後のほうは」
「そうそう、あたしも必死だった」
「水泳、ジャンヌはクロールでなかったのですね」
「実は最初はクロールで泳ぐつもりだった。しかし水の中に飛び込んでから急に平泳ぎになってしまったよ」
「どうしてですか」
「さあ、自分でもわからない」
「それにしてももうすぐですね。ここでの3日間にわたる試験がすべて終わるのも」
「そうだね、あと面接だけだからね」
「あ、そうだった、あたしはまだ英語の口述試験が残っていました」
「スカイプでやるとか」
「そうです。ジャンヌはTOEICでいい成績をとったからこの英語の口述試験は免除でしたね」
「まあね」
「あたしは一か月後ですよ。だからこれから一か月間毎日英語の口述試験対策をしなくてはいけません」
「がんばってね」
「がんばります」
この時先輩上級生が部屋にやってきた。
「これから昼食です。部屋を出てください」
藤枝は重たそうに自分の体をベッドから起こした。そしてジャンヌの後ろについてゆっくりと歩いて部屋から出ていった。 つづく
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