172話 昼のひと時

第174章

「これからの面接試験が終わると、これで3日間のここでの試験もすべて終わりですね」

「そうだね、3日間だけだったけれどなんだか半年くらいここにいたような気がするよ」

「そうですね、それにしてもいろいろなことがありました。楽しかったです。しかし明日の朝には帰らなくてはならないわけですね」

「そう。朝食が終わったら」

「ところで帰り方知っていますか。ここの基地からブレストの駅までです。ここのランベオックの基地はブレスト駅から車で45分かかるわけですよね(comptez un bon 3/4 d'heure de route) ここに試験を受けに来たときはブレストの駅まで、先輩上級生が車で迎えに来てくれましたけれど(élèves EOPAN sont chargés de vous récupérer à la gare,vous sur le chemin pour rejoindre la base) 帰りはどうなるのでしょうかね。帰りは私たち自分たちで駅まで帰らなくてはいけないのでしたら、その帰り方がわかりません。ブレスト駅まで普通のバスでもあるのでしょうかね」

「船で送ってくれるみたい」

「船ですか」

「そうみたい。そこのブレスト湾の海の上を船で通ってブレスト駅まで送ってくれるみたい(on traverse la rade de Brest pour retourner à la gare)」

「帰りは船旅ができるのですか。本当にまるでここに観光旅行に来たみたいですね。たとえこの試験に不合格でも受験したかいがあります」

「あたしもここブレストに来たのは初めてだからいい観光旅行になったよ。不合格でもね」

 この時、藤枝はこっくりこっくりし始めた。

「なに船をこいでいるの」

「なんだか眠くなってきました」

「午前中体を動かしたり食事した後だからね。面接試験までまだ時間があるから少し昼寝でもしたらいいよ」

「そうですね。では少し寝ますね」

 藤枝はこう言うと自分のベッドの上で寝てしまった。   つづく




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る