66話 すごい仏海軍9.45%851点超

第68章

 解答用紙が回収されていった。すべて回収されると試験官が言った。

「次はリスニング問題をします。リスニング試験はLL教室で行います。準備ができたら呼びに来ますのでそれまでこの教室にいてください」

 こう言うと試験官は回収された解答用紙を持って教室を出て行った。試験官が教室からいなくなるとジャンヌが藤枝に聞き始めた。

「どうだった、できた?」

「一応ですが、どうなるかはわかりません」

「ジャンヌは大丈夫ですよね」

「あたしもわからない」

「でもおもしろい問題でしたね。フランスの海軍が隊員の英語力を評価するためにTOEICの問題を使用している理由がわかりましたね」

「あたしもその理由が知らなかった」

「月に何回も試験を受験できるからとか」

「受験料が一番安いからとか」

「世界でこの試験の評価が高いからとか、そういった理由だったみたいですね。それにしてもフランス海軍の隊員の9.45%がTOEICで851点以上の点数を取れるとはさすがですね」

「特に空母の戦闘機パイロットは、空母の発艦訓練や着艦訓練はアメリカ海軍の空母で行うというからこの9.45%の中に入らないとね」

「次はリスニング問題ですね。あー、一番大変な試験です。リーディングの2倍も配点があるんでしょう」

「アメリカ海軍で訓練受けるのだから、仕方ないね」

「もしわからない設問があったら、その時はまたくじで決めるしかありません。確率は4分の1。限りなく低いけれどしかたないですね。(A) (B) (C) (D) のどれか一つに正解があるわけですから。今度はどういうくじで決めましょうかね。聞いた答えの中から一番気に入ったものにしようか」

 この時教官が教室の中に入ってきた。

「ではこれからリスニング試験問題を始めます。LL教室に行きますので、全員ついてきてください」

 試験官がこう言うと、藤枝達受験生は席から立ち上がり教室の中から出て行った。そして彼女たちは教官の後について行った。 つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る