61話 英語試験(筆記)が始まる

第63章

 藤枝はジャンヌの話を聞くと驚いて言った。

「785点と言ったら日本の英検の準1級レベルですよ。しかも英検1級に近いレベルですよ。ということは明日の口述の英語試験もそれくらいのレベルの問題が出されるということですか」

「それはどうだかわからないけれど、明日の英語の試験、今心配していても仕方ないよ。それよりこれから始まる筆記の英語の試験を心配しないとね」

「それもそうですね。これからの筆記の英語試験に合格できないと、明日からの試験はすべて受験できなくなるそうですからね。そこでもちろん口述試験も受験できなくなりますからね」

「そういうこと。明日の朝、今日の試験結果が発表されて不合格者はこの海軍基地からすぐ退場だそうみたいね」

「この筆記の英語試験だそうですね、一番不合格者がたくさん出るのは(c'est le test qui elimine le plus de candidat)」

「明日の朝、試験結果が発表された後、ここの基地から退場していく受験生がぞろぞろだそうみたい」

「ジャンヌは口述試験を免除されるくらいだから、これから行わられる筆記の英語試験はもう大丈夫ですね」

「さあどうなることやら」

 この時、教室のドアが開いた。試験官が問題用紙を持って教室に入ってきた。試験官が受験たちの前に立つや言った。

「これから筆記の英語試験をします。この試験はリーディング問題とリスニング問題から成っています。最初にリーディング問題をします。その後リスニング問題をします」

 問題用紙が受験生たち一人一人に配られていった。藤枝の机の前にも配られた。彼女はじっと配られた問題用紙を見つめていた。日本の高校での英語の授業やこの試験のために通った英会話教室のことなどが思い出された。いよいよその成果がこれから試されるのである。教室の中が静かになった。

「でははじめてください」

 教室の中が急に問題用紙をめくる音でにぎやかになった。藤枝も問題用紙の中を開いた。   つづく


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