50話 航空知識試験終了

第52章

 解答用紙がすべて集められて試験官が教室を出て行った。するとジャンヌが藤枝に話しかけてきた。

「どうだった問題、できた?」

「はい、なんとかできました。しかし第14問がわかりませんでした」

「ああ、海軍が一番新しく配備したヘリコプターでしょう」

「そうです」

「あたしも確かなことわからなかったけれど、カイマンとかいうヘリコプターだったと思う」

「本当ですか、あたしもカイマンにしたのです」

「しかしただの感で答えただけ。よくわからない。そうだ、アラン」

「なに、ジャンヌ」

「ヘリコプターの専門家のあなたなら知ってるでしょう。第14問の答え」

「NH90カイマンだよ」

「本当ですか、よかった」

藤枝は喜んだ。

「しかし本当のこと言うとくじで決めただけです」

「運のいい確率」

「ワッペンのデザインの問題なんかもありましたね」

「アヒルでしょ。第12F戦闘機飛行隊は」

「そのほかには、いろいろなフリーゲート艦に積んであるヘリコプターの問題があったり、ミサイルの問題があったり」

藤枝がこのように言うとドロンが言った。

「シャルルドゴール空母の問題もあったね、ほら覚えているか、パリからTGVでここに来る時のことを。僕と君とでシャルルドゴール空母の話をしたことを」

「ああ、そういえばそうでしたね。ユーチューブ動画でしたね。ドロンさんがあたしの隣で話してました。シャルルドゴール空母の戦闘機パイロットが紹介されていたけれど、そのパイロットもトップガンの映画を見たのが海軍のパイロットになった動機だったということでしたね」

「そうだよ、ちなみにこのシャルルドゴール空母のカフェテリアにはサッカーゲーム機があってね、僕はそれで遊んでみたいんだ。そこの海軍士官学校にも全く同じサッカーゲーム機があるようだけれど、同じゲーム機でも空母の中にあるゲーム機はおもしろそうだ」

「どうしてですか」

「船が揺れながらのゲームだからだよ。船が揺れながらだから、ボールがどのように転がっていくか全く予想がつかないからだ」

「そうですね、試験は一応今のところは順調ですが、試験もこれからどのようになっていくのか全く予想がつきませんね」   つづく


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る