36話 人格試験を解く藤枝

第38章

 藤枝は問題用紙を一通り読み終えると、さっそく自分の答えを書いていった。


設問1。海で遭難した人がいると基地から連絡があったため、私はどうするのか。ということのようだけれど、海で遭難した人にマカロンを食べてもらいたいから、使命を引き受けてさがしに行くと思う。だから、b。


設問2。不審な小さな船が艦船に近づいてきたため、私はどうするのか。ということみたいだけれど、いくら不審な船だからといっても、いきなり攻撃したらマカロンを食べる暇がないから、まず警告してからではないと。だから、b。


設問3。航海中隊員が亡くなったため、私はどうすればいいのか。ということみたいだけれど、隊員が亡くなったことを黙っていてはマカロンをお供えできないから、ほかの隊員を集めてお供えしてもらう必要があるから。そこで、a。


設問4。航海中いろいろな演習を、私がするのか。ということのようだけれど、どのようなことが起きてもマカロンを作れる訓練をしておかなくてはいけないから。よって、a。


設問5。平穏な航海中誕生日を迎えた隊員がいるため、私はどうするのか。ということみたいだけれど、その日がいくら平穏でも常に緊急事態に備えてマカロンが作れる準備をしておかなくてはいけないから、特に何もしない。だから、a。


設問6。艦船で火事が起きたため、私はどうするのか。ということみたいだけれど、艦船の最高責任者は艦内のマカロンに最後まで責任があるから、艦船に一番最後まで残っていてマカロンを守らなくてはいけないと思う。だから、b。

 

 藤枝はこのように答を書いていった。周りの受験生たちもそろそろ答えを書き終えたようであった。

「試験終了時間です」

試験官がこういうと、今まで静かだった教室の中が急ににぎやかになった。解答用紙が集められていった。試験官は集めた解答用紙を一枚一枚確認し始めた。それが終わると受験生たちに向かって言った。

「次は航空知識試験です」

 試験官は集めた解答用紙を持って教室の外に出て行った。   つづく



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る