中国大陸統一も終えたし国号を変えようか

 さて、青州の袁譚がこちらへ服属し、残りの兄弟は袁譚に追い出されたのか、自主的なものかはわからないが海外へ逃げ出したことで事実上中国大陸は俺のもとで再度統一された。


 郭図や辛評、辛毘なども一緒に降伏してきてるらしいがこいつらの扱いはとりあえずは袁譚に任せよう。


 冀州は田豊や沮授なども使って統治しているがまあ順調だし、幽州も問題はない。


 結局の所劉備は大出世とは行かないが中山太守になれたからまあそこそこの出世じゃないかな?


「袁譚は平原太守でも満足すればいいし、満足しないというのであれば場所を変えるか。

 しかし、東漢(後漢)は滅んだも同然だし国号を改め、改元も行なうべきか」


 袁譚の統治や軍事の能力は決して低いわけではないと思うが、青州刺史は孫堅にやらせたほうが良かろうな。


 そして新たな国の首都は事実上、俺や聖帝がいる南陽なので南漢とでも言うべきだろうが、今までとは違うぞということも示すため、新たに聖漢と名付けたいと思う。


 春秋戦国に習うなら楚でも良いのだがぶっちゃけて言えば縁起が良いとは思えないしな。


 俺は聖帝に拝謁して話をすることにした。


「聖帝陛下、既に滅びたも同然の東漢から国号を名を改め聖漢としたく思います」


 聖帝は少しだけ考えたようだが俺の言葉にうなずいた。


「うむ、良いのではないか」


 廃帝の劉協であれば俺の言葉は受け入れなかったであろうが、彼は市民としての暮らしをしていたので東漢という国は黄巾賊の乱の勃発から反乱の多発にいたり、霊帝が死んで袁術が権力を握った時点で実質的には滅んだというのもわかっているのだろう。


「ありがとうございます、また聖帝陛下の正式な即位式を大々的に行い、光武皇帝にあやかり年号を建徳に替えたいと思います」


 やはり聖帝はうなずいてくれた。


「うむ、それもよいのではないか」


 うむ、とりあえず聖帝の許可も得たし、このあとの実際の実行やそれに関係する式典は董超へ丸投げするか。


「董超、宮廷儀式を教わっているであろう董白と共に聖帝の正式な即位の儀礼と共に新たな国号である聖漢を発布し、元号を建徳と改めることも同時に発布せよ

 そして董白に儀式や礼法の改廃や存続、人員の削減や拡充に関する意見をきいて妥当であればそれも実行せよ。

 必要でない儀式が多すぎても金の無駄だからな」


 これで俺は実務から完全に降りて聖帝の思想の教育や正式な律令の編纂にとりかかれるか。


 律令の編纂は参謀たちにも話をしたほうがいいかもしれないけどな。


「かしこまりました父上、お任せください。

 即位の儀式は盛大なものとして必ずや成功させてみせましょう」


「ああ、頼むぞ。

 おれは東漢や大秦国(ローマ帝国)の統治制度を参考に軍備などを今後どうするか検討する」


「かしこまりました。

 たしかに今のまま兵を抱え込んでも無駄ではありましょう」


「だが兵は平時でも必要であるのが難しいところだ」


 光武帝は民を優先して軍の大幅な縮小を行ったがこれが豪族の台頭を許すことになったし、豊臣秀吉が日本を統一したときも一部の武士は東南アジアに渡ったりしているが、性格的な問題もあって軍人しかできない人物というものは一定数どうしても出てくるであろうから、そのあたりは北方や涼州の辺境警備なり、中央の警備なりをやらせるべきだろうな。


 都市の治安維持や賊の討伐以外にも道路や運河の開設や保守、農地の開墾や街道警備など必要なことはたくさんあるがそれにコストが掛かりすぎても前漢の武帝のようになるのが難しいとこではあるが、荊州、揚州・益州のそれぞれの南部や涼州や幷州・幽州のように異民族の多い地域は自治地区のような扱いにして彼らと漢人の大きな差別は行わせないようにしたほうがいいだろう。


 飢饉が起きればどうしても略奪などに動くやつは出るだろうからそれを武力で鎮圧することも必要ではあるんだが、やはり直接統治して常日頃から重税をかけ差別的な扱いをするよりはましになるだろう。

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