長安は楊彪に任せて李儒は手元においておくとしようか
さて、袁術とたもとを分かって、長安にやって来た楊彪と共に長安に残っていた李儒が俺の元へやってきた。
俺はかって楊彪と同僚でもあった、蔡邕と一緒に彼を出迎えることにした。
「董将軍、楊(彪)文先様をお連れいたしました」
「うむ、李(儒)文優よ、よくやってくれた」
そういうと李儒はうやうやしく頭を下げた。
「いえ、私自身はたいしたことはしておりませぬ」
実際には李儒が司隷に残ってくれて、司隷などの中央の情報を流してくれてるのはとても助かってるんだけどな。
そして俺は楊彪に挨拶をする。
「楊(彪)文先様お久しぶりでございます」
俺が楊彪にそういうと蔡邕も親しげに言った。
「どうやら洛陽は大変な状況になっておるようだな」
「うむ、董将軍も蔡(邕)伯喈も元気なようでなによりだ。
なにしろ袁(術)公路は我々の話を聞かぬからな。
民を軽んじ己は贅を尽くした生活をしていてはな。
あやつがやっておることは十常侍どもと変わらぬよ」
そういう楊彪は微妙に疲れた顔をしている。
楊彪や孔融などは理屈っぽすぎるためか、袁紹や曹操にも嫌われていたくらいだからな。
弘農楊氏は四世太尉といわれ、袁家ほぼ同格だが、実際はやや格下の名家とされるが、だからこそ袁術には気に入らない相手でもあったろう。
「出来れば楊(彪)文先様にとって三輔地方は地元でありますし、私の代わりにその地をおさめていただきお互い情報を共有できればと思うのですがいかがでしょうか?」
厳密には弘農は三輔には含まれていないけどな。
「ふむ、長安を私に任せるというのかね」
「ええ、楊(彪)文先様であれば、非道な行いも行われないでしょう」
三輔の人間も俺が駐屯するより、楊彪が仕切ったほうが従うものも多いだろうしな。
楊彪は蔡邕と何日か話をしていたようだが、やがて長安に戻る旨を伝えてきた。
「では、私は長安に戻らせていただきましょう」
「はい、よろしく頼みます」
まあ、楊彪は俺の部下と言う立場ではないにせよ、同盟相手として考えるなら問題はなかろう。
最も厳密に言えば今の楊彪は罷免されてるので無官なのだけどな。
李儒が俺に聞いてきた。
「良いのですか?彼に任せて」
「良いんじゃないか?
実際俺の下という意識は当人にはなくても実際は無官なんだからな。
俺の代理として面倒な地域を治めてくれるならそれに越したことはない」
「洛陽の袁(術)公路から攻撃されたりしませんでしょうか?」
「現状では黒山賊や崩壊したとは言え反袁術連合も残ってる。
あまり豊かでない三輔を手に入れても袁(術)公路に旨味もない。
むしろ豊かさで言えばここ南陽のほうが狙われる可能性は高いだろう」
「たしかにそうかも知れませぬな」
「とはいえ荊州・揚州についてはまだまだ発展の余地がある。
そのために俺のもとで発展に努めよ」
「かしこまりました」
俺のもとにいる閻忠にも実務を行わせる。
「兵を養うにも基盤が必要だ、実務を通してそれを知ってほしい」
「かしこまりました、やらせていただきましょう」
口でいうだけなら簡単なんだが実際、兵站を確保すると言うのは大変なのだ。
末の息子や娘たちもそろそろ成人するくらいだし、嫁や婿を取らせたほうが良いだろうがさて相手はどうしたものか。
そう言えば家族の元へ送り出した曹操が典韋や陳宮、程昱、李典の叔父である李乾・李整などを連れてきてくれると良いのだがな。
朱儁は会稽の隠れた名将
諸葛玄も戦火を避けて、その甥っ子たちである諸葛瑾・諸葛亮・諸葛均などを連れてきてくれれば助かるがそうはうまくは行かないか?
そう言えば甘寧は今はまだ益州巴郡に居るはずか。
彼は呉の水軍提督というイメージが強いんだが、実は山育ちなんだよな。
厳顔も同じ場所にいるはずだし早めに引き立てておいたほうが良いか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます