VR) 過去からやってきた存在

@Heineine

第1話

主人公の少年は流行りの高額のVR機器が、お金がなく買えなかった。

近くの古本屋のじいちゃんが、高く売れるからといってたまたま買い取ったものがあったが、わざわざ売りにくる位だから、故障してるんじゃないかと後から思って、主人公に動作チェックをしてくれと依頼する。

VR機器はやはり、所々バグがあるっぽいなと少年は感じるのだが、草原フィールドが不意に荒廃した土地に、白いボデイースーツに身を包んだ少女が、荒れた電気ノイズと共に、少年の元に現れて、彼を巻き込んでいく。


■ヴァーチャルリアリテイ

 既に荒廃した地球。寒冷化が進み日本の平地は海面に没し、逃れた人々は山間部を切り拓き、山の内外を改造し、身を寄せ合い暮らしていた。

 現実世界において、未来への希望を失いかけた多くの人は、ヴァーチャルリアリティにおける、かつての美しい日本や世界を求め、埋没している。

 科学技術の粋といえるヴァーチャルリアリティが、もはや麻薬成分のように人々の生活に欠かせないものになった。

 そして、ヴァーチャルの中で家庭を持つものも少なくなかった。

 未来における安楽死とは、ヴァーチャルリアリティの世界の中で、痛みもなく静かに消えていくことだった。

 ダイブ中は点滴による栄養補給はされていたが、筋力は衰えるばかり。

 海外に行こうとも、他国の窮状も似たようなもので、外交とは最低限の情報交換に過ぎない。

 未来の人類がヴァーチャルリアリティをメインに生活を行う中で、バグが起こり始める。プレイヤーの中に、過去からやってきたと称する、覇気に溢れた人間が現れ始めた。

 過去と未来がVR世界の中で交錯する。

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