果てない暗闇の中で

ヤマダサチコ

第1話

鳥の声がする。

冷たい風に太陽の温かさが混じって春の風は気持ちがいい。窓から見える枝にはピンクの桜が綺麗に咲いている。


細くなってしまった腕にはたくさんの傷跡。

流れ出る血液を見て、私は生きているのだなと実感する。

こんな事をしても死ねないことは知っている。

ただ、自分の腕から流れ出る血を見て私は安心する。

生きている。周りの人間と同じように、私にも血が通っている。


あてもなく深い暗闇、何も見えないそこで、手探りで歩いている。

どこまで続くのかは分からない。

正解も分からない。


私は私を探している。

もうずっと。ずっと探し続けている。


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