第21話

その日の帰り道、いつものような話をしながら歩いている


えり先輩はうちの高校では学力上位クラスにいたから部活に顔を出す程度のことも多かった

今日の部活で起きたことなんかをチマチマ話していくが俺はタイミングを伺っていた


やっぱり正直照れと恥ずかしさもあり普段より饒舌になっているんだろうなと自分でも思ってた

えり先輩は口に出さないけど緊張してるの伝わってるだろうなと思いつつも話してしまう自分が悔しかった


もう少しで帰り道が別れるところで


やっぱり恥ずかしい、もう少し待って


そう言うと優しくそれでいてイタズラっぽく笑いながら


え?何が恥ずかしいの?


なんて聞いてくる

そんな余裕たっぷりなえり先輩と自分を比べて悔しくてあえて耳元で言った


ー大好きだよ


きっと今の俺は全身火が出るくらい真っ赤になってるな

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