第6話GAFA占い
「GAFA」「マッチングアプリ」「踵を返す」「地球グミ」の4つの単語を使って自由にショートストーリー!所要時間2時間。
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「地球グミさん、ですよね?」
「あ、はい。えっと、ダーヤマさん?」
「そうですそうです! 今日はよろしくお願いします」
もらった。マッチングアプリのプロフィールには写真が無くて会うか迷っていたが、断然タイプ。おとなしそうな雰囲気の清楚系で、本を読んで待っていたところもポイント高い。こういう人と美術館とか博物館を回れたら。今日は絶対、次のデートに繋げなければ。
「とりあえず適当にぶらぶらしますか」
もちろん近くのカフェはリサーチ済み。事前準備は男のマナーだ。たわいもない雑談の中でも自己紹介を確実に進め、バレないようマップを見ながら歩みを進める。いかにも偶然見つけた体を装い、レトロな雰囲気のカフェへ入る。あの駅から徒歩5分、完璧だ。
彼女のキャラメルラテが運ばれてきた頃には、だいぶ打ち解けていた。強張っていた彼女の表情も徐々にほぐれてきたように感じる。これ、いけるのではないか。
「そういえば、さっき何の本読んでたんですか?」
「えと、GAFA占いっていう本です」
「GAFA占い? GAFAってあの?」
おれのポカンとした表情を見て、待ってましたと言わんばかりの嬉しそうな顔で彼女は本を取り出した。
「実際にやってみましょう。じゃあ第一問。あなたの目の前にいる動物は何ですか? 直感で答えてください」
待ってくれ、何が始まるんだ。
「え、あー、猫」
「猫、と。じゃあ次の質問です……」
間髪入れずに質問が進んでいき、117問目にしてやっと、最終問題という言葉が出てきた。客の顔は全て入れ替わっており、店内にはオレンジ色の光が差し込むようになった。
「酢豚にパイナップル入れることについて、どう思いますか?」
「犯罪」
「分かりました。はい、これで占い終了です。ダーヤマさんは……Facebookタイプです。たぶんTwitter寄りのFacebookタイプですね! なるほどー」
何が分かったのこれ? 限りなくゴミに等しいことに時間潰してない?
「ちなみに私の性格、何タイプだと思います?」
知るかよ。何をどうしたらおれがFacebookタイプになったのかも謎なのに。だが、ここまで来て踵を返すわけにはいかない。
「やっぱ、Googleタイプかな」
「ざんねーん。Apple寄りのAmazonタイプでした! 目の付け所は良かったですけど……」
彼女が生き生きとした表情でGAFA占いについて話し続けている。それを適当にあしらいながら、おれは机の下でプロフィールをスワイプし始めた。
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