割れたコップ

興梠司

第1話

君は昨晩僕が寝ている時に合鍵だけを残し出ていった。

その日の喧嘩が原因なのはわかっている、付き合い始めて3年、僕のことを

かまってくれる回数が少なくなった。


一緒にいるのに僕は寂しくなった。

「何で僕のことをちゃんと見てくれないの?」

と怒ってしまった。


君は笑いながら「もう終わりにしよう」と言った。

僕には何のことかわからなかった、喧嘩を終わりにするのか

関係を終わりにするのか、僕にはわからなかった。


「私もう出ていくね」と君が言ったが僕には

なにも言える術は無かった。

「もう一回だけチャンスをくれないか?」とすがり付くしか無かった


「私もう限界なの」


「ごめん」

という会話しか出来なく僕は黙って寝室に入ると君は荷物を

まとめていた。本当に出ていくんだと客観的に思ってしまった。


僕に出ていくななんて権利はない、最近の喧嘩は僕が発端だ

連絡が遅い、帰ってくるのが遅い、そんなんで喧嘩ばっかり


僕がもう少し我慢できればそれで良かったんだ。

君の笑顔が大好きだったのにもう見れなくなると思うと

涙が止まらない、でも君には僕だけを見てほしかった


君が出ていく音がした、合鍵だけを残して

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割れたコップ 興梠司 @asahina0606

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