57
57
どうやってもこのピンチを乗り越えられそうにない。もはや打つ手なしか……。
――っ!? いや、待てよ?
僕にも出来ることが、まだ残ってるじゃないか! ダメで元々、試してみる価値はある!
「…………」
僕は丸腰のまま、モンスターの前に歩み出た。
そして大きく深呼吸――。
心が落ち着いたところで慈しみと親しみの気持ちを胸に抱きつつ、真っ直ぐにモンスターを見つめる。
『お願いだ、こっちに来ないでくれ。僕は戦いたくない。キミに危害は加えない。だから立ち去ってくれ……』
僕はモンスターに向かって想いを念じた。例の不思議な意思疎通の力を使おうというわけだ。
相手が獣や虫ならこれで去っていってくれるはず。もちろん、モンスターであるコイツには僕の想いが伝わらないかもしれないけど……。
事実、幼いころにたまたまモンスターと遭遇してしまったことがあって、その時に試したんだけど効果はなかった。以後はモンスターに対して念じたことはない。
まぁ、なぜかモンスターと出会ったのはそれっきりで、そもそもその機会がなかったということもあるけどね……。
ただ、もしあの時と比べて意思疎通に関わる僕の能力が上がっているなら、効果が出る可能性はゼロじゃない。その能力の正体は分からないし、そうしたものが存在している自覚もないけどやってみる価値はある。
というか、これは僕に残された最後の悪あがき。ほかに出来ることなんてない。やるだけやって、あとは運命に身を任せるだけだ。
「ゴァアアアアアアアアァ!」
耳をつんざくようなモンスターの咆哮。目の前にヤツの拳が迫るッ!
――ここでダイス判定。六面ダイスを二個振ろう。数値の合計は?
●7以上……→21へ
https://kakuyomu.jp/works/16816927862192814506/episodes/16816927862194101791
●6以下……→26へ
https://kakuyomu.jp/works/16816927862192814506/episodes/16816927862194189010
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます