42

42


 こんなヤツと戦っても勝てるわけがない。剣も魔法も使えないし、腕力だってない。何かの技を習得していることもない。爆弾みたいなアイテムもない。勝てる要素はゼロだ。


 走って逃げようにも、足がこんなに疲労している状態ではおそらく逃げ切れないと思う。



 ――いや、たとえ万全の状態だったとしても、あのモンスターの機敏な動きを考えたら即座に追いつかれてしまうに違いない。


 ミューリエが戻ってくるまで時間を稼ごうにも、僕が持ちこたえられそうなのはせいぜい数分くらいのもの。それは現実的な選択じゃない。


 落ち着け、よく考えるんだ。きっと何かあるはずだ。



 …………。


 ……でも何も思い浮かばない。


 この絶体絶命の状況で僕に出来ることなんてあるのだろうか?



 →57へ

https://kakuyomu.jp/works/16816927862192814506/episodes/16816927862195115813

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る