第1話 追放されてしまう話
「アラリウル。 お前をこのパーティーから追放することが決まった」
世界に名を馳せた冒険者パーティー《明星の華》。そのリーダーであるイルマに唐突にそう告げられる。
「どういうこと? 」
突然告げられたその言葉が理解できないアラリウルは引きつった笑顔を作る。
「冗談でもそんなこと―」
「先日、グリッド公爵の領地内で山火事が起きたことは知っているな」
イルマはアラリウルの言葉を遮るように話始める。
イルマと冒険者育成学校の頃からの幼馴染であったアラリウルは彼が真剣に話しているということを感じ取り、黙って話を聞くことにした。
イルマはその端正な顔を少し曇らせる。
「山火事はかなり大きな被害を生み、グリッド公爵は絶対に犯人を見つけ、拷問するとかなり腹を立てているらしい。冒険者ギルドとしてもグリッド公爵とは良好な関係を築いておきたいため、早急に犯人を捕まえろというような内容のクエストが冒険者達に送られてきている」
「グリッド公爵はとてつもない領地をもつ権力者であると同時に、物凄い短気で有名だ。 そんな人の領地を燃やすなんてとんだ命知らずがいたもんだ…… でもそれが何だっていうんだ? 」
アラリウルの問いかけに少しの間を置いてイルマ話し出す。
「その犯人はというが……… ラントなんだ」
「……え? ラントってウチに新しく入ってきたあのラント? 」
ラント・ラジカは明星の華に新しく入ったアラリウルと同じ祓魔師だ。
祓魔師は精霊の力を使い魔物と戦う職業で、特に悪魔と戦うことに特化している。
そしてラントは精霊の中でも希少な天使と呼ばれる精霊と契約しているエリートだ。
ただ素行が悪く、度々喧嘩や女性関係で問題を起こしている。
アラリウルが先輩として教育係をしているのだが、自分よりも弱い精霊としか契約出来ていないアラリウルのことを完全に舐めており、全く言うことを聞こうとしない。
「そこでだ、アラリウル」
イルマは低い声でそういうと、アラリウルの目を真っ直ぐと見つめる。
「お前にラントの代わりに公爵の元へ行ってもらうことにした」
《あとがき》
仕事の合間に書いてゆきます!
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