エリート後輩の犯した罪を着せられパーティーを追放されたエクソシスト(祓魔師)だが《かつて世界を滅ぼした悪魔女王》に溺愛され契約を結び、第二の人生で最強の祓魔師へ
プリントを後ろに回して!!
プロローグ
「触るな! 人間が! お前何をしているのかわかっているのか? 」
アラリウルは目の前にいる彼女にひたすら回復魔法をかけ続ける。
「お前その十字の刺青…… 祓魔師(エクソシスト)か? 」
アラリウルはほんの少しだけ首を縦に振る。
「ふざけるな! 私は悪魔だぞ!? お前は… 敵を助けようってのか」
身体中に走る激痛で意識を失いそうになりながら、アラリウルなんとか言葉を紡ぐ。
「これは僕のエゴだ。 祓魔師とかじゃなく僕…… アラリウル・ドージャーがそうしたいからそうするんだ」
悪魔はグッと眉間に皺を寄せる。
「なんだそれは…… お前達祓魔師は心底悪魔を憎んでいるんだろ? 恨んでいるだろ? なのに、何故お前は今にも自分が死にそうなのに私を助ける? 」
彼にその質問に答える気力はもう残っておらず薄れゆく意識の中で裏切られた仲間のことを思い出していた。
(こんな悪魔1人助けたところで何にもなる訳じゃないけど、アイツらに少しでも復讐できたと思おう。ピクシー…… お前ともう会えないことだけが心残りだ)
アラリウルは静かに目を閉じ動かなくなる。
かつて悪魔女王と呼ばれ、人間だけでなく魔族からも恐れられた悪魔ヴァルナダ・パラレリュウ。
美しく、強く、凶悪な存在として世界に君臨し、何もかもを手に入れたと感じていた彼女は唯一、愛だけが分からなかった。
愛する者のために自身を犠牲にして自分に挑み散っていく者、自分はどうなってもいいからと首を差し出してくる者。
そして、祓魔師でありながら悪魔を助ける者。
ヴァルナダは頬に伝う暖かい何かに気付き手で拭う。
「これは…… 涙か。 そうか私はコイツを愛してしまったのだな」
ヴァルナダが今まで見てきた人間はみな誰かを愛する時、その人のために涙を流してきた。
「そうか、あの人間達はこのような気持ちだったのか……… アラリウル。 私の初めての愛する人。お前をここで死なせるわけにはいかん 」
ヴァルナダはアラリウルの唇にキスをする。
「我が魂とアラリウル・ドージャーの魂に永劫の契約を結ぼう」
ここに世にも奇妙な悪魔の力を持った祓魔師の誕生した。
《あとがき》
新作です!
仕事の合間に気ままに書いてゆきたいと思っております。
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