過去と今の関係

お題：過去の雑踏 制限時間：15分

過去と今の関係

　人混みは未だになれない。

　小中高と、多人数のいじめを何度も過去受けたことが当然ネックにあるだろうし、教室内にいる雑踏の視線が『関係ない』と送ってくることのが一番脳から消えてくれない。

　クラスメイトという人ごみは、同じ教室にの仲間であっても、僕はゴミということなのだろう。教室にいる異物。だから、何をされてたとしてもそれは掃除であり、駆除。

　仕方のない行為だったのかもしれない。

　過去は過去、今は今。

　大学は全く知らない土地に１人ぐらしをはじめたからかそういう扱いを受けなくなった。いったい何がいけなかったのかは未だにわからない。

　友だちにいじめがあったことを話したこともあるが信じてもらえなかった。

　お前みたいなやつは逆にちやほやされて人気になるだろうと、むしろ好感度が高かった。思わずその時泣いてしまったのは恥ずかしい思い出だが、そのおかげで仲はより一層よくなった。

　今では同棲して、結婚を誓うまでに発展した。

　だからこそ、僕はそろそろ慣れなきゃいけないのかもしれない。

　過去の雑踏を振り切るために、人ごみという空間を。

「……」

　駅前を歩くと視線を例え会わせることなくすれ違っても、相手が何を自分に感じたのだろうかと思ってしまうことがしばしばある。

　そういうことを考えてしまうからいけないんだと彼女はいう。

『私がいるときは私があなたの多人数。心を私という捨てられないゴミで埋めてあげる』

　あぁどうしてそんな素敵なことを言える人と僕は出会えたんだと、ほんとに嬉しくなった。そんな彼女の想いに応えるために僕は結婚式でおかしくならないように変わらなきゃやっぱり駄目だ。

「……」

　駅にいる人だって、多少は人を気にしてる人はいるかもしれない。

　だけど、人ごみ。

　気にしない人がほとんど。

　関わり合いのない人、関わりたくない人がほとんど。

　だから、深く考える必要はないんだ。

　昔、彼女の顔に全部当てはめてみたこともあるがそれはそれでなんか無性に恥ずかしい気分に陥ったので今後もすることはない。

　ならば、結局休日の人の多い中歩くしかない。

　なるべく人が多い繁華街、有名店が並ぶ場所。

「……」

　この荒療治も悪いことばかりじゃない。

　今まで彼女と過ごした思い出が浮かんでだんだんと嫌な気分が消えてきたような気もするし、今度一緒に入ってみたいお店も見つけた。

　結局ーーネガティヴな過去は彼女との家庭が僕を変えてくれた。