「ティディベア」
我が家にはぱっと見は普通のティディベアが一体いるんだけど。
このティディベアが手元に来たのが、少しオカルトチックのように思えるんだ。
自分は、一時期オーストラリアに住んでたんだ。
最初の下宿先のオーナーが手芸マニアでさ、ある日突然「クラフトフェアに行くわよ!!」と、有無を言わさず車に乗せられ、クラフトフェアに連れていかれたんだ。
入り口で入場料払ったときに数字が印刷された半券をもらうんだけど、その半券の数字が偶然、自分の誕生日だったんだわ。
11月18日生まれだとすると、数字が1188という感じね。
お、偶然だけどなんかいいことありそうじゃん!とだけ、その時は思ってた。
クラフトフェアって一言でいうと、手芸関係の展示即売会。
オリジナルの手芸作品や、手芸用品がブースで販売されてるんだ。
その中で一角だけ、他と様子が違うコーナーが中央にあったんだわ。
なんかお高そうな手芸用品や、手の込んでそうな手芸作品が、綺麗に並べられてるの。
オーナーに聞くと、お昼に行われる抽選の賞品で、どれも100ドルはくだらないお高いものだという。
その中に、ティディベアが一体あったんだけど、見た瞬間、何故か無償に欲しくなった。
それまで、全くティディベアに興味なかったし、ぬいぐるみ収集なんていう趣味もなかったのにだ。
そしてお昼の抽選時。
当選番号として読み上げられた数字の1つが、まさかの自分が持ってるものだった。
は?おまけとしてくっついてきた人間、しかも場違いな外国人が当たっちゃっていいの?と思いながら、受付行ってみると、なんと当選商品、あのティディベアだった。
どうやら市内のティディベア専門店のものらしく、職人手作り、手縫いの、一点ものの高級ティディベアということだった。
・チケットの半券の数字が、自分の誕生日だった
・何故か普段は興味のないぬいぐるみ、ティディベアに唐突に惹かれた。
・抽選に当選し、商品がそのティディベアだった
偶然が重なった結果かもしれないが。
少し肌寒さを感じたティディベアとの出会いとなったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます