第おまけ話 縁の下の力持ち

 

 皆さま、最後まで『皆様、異世界ニュース『壁に耳あり障子に目あり』のお時間です。』をご視聴頂き、誠にありがとうございます。

 わたくし、社長の『シャッ・チョサン』と申します。


 ここまで『異世界ニュース』を放送し続けられたのも、ひとえに、みなさまの御声援があったからです。感謝、感謝です。




 そこで、常日頃、地の文でニュースを読み上げ、この『異世界ニュース』を引っ張ってくれていた人物……七人のニュースキャスター達を紹介して、この番組を締めたいと思います。






 月曜日担当 『修野しゅうの はじめ


 週の始め、月曜日の司会担当。人間の男性。この仕事を始める前は、毎週日曜、異世界時間、午後18時半に放送されるあのアニメを欠かさず見ていたが、現在は朝がとてつもなく早いため、一話も視聴出来ないと嘆いている。33歳、仕事ぶりはすこぶる真面目。恋人募集中。




 火曜日担当 『徳野とくの いち


 異世界ニュース、火曜日の司会担当。サキュバス。妖艶な容姿と、魅惑の声で全異世界の若い男性を虜にする。趣味は観光で、この仕事に就く前は、色んな異世界の観光地に旅行に行っていたが、この仕事を初めてからは、一度も旅行に行けていないと嘆いている。68歳。彼氏募集中。




 水曜日担当 『水上みなかみ 水樹みずき


 異世界ニュース、水曜日の司会担当。ノームの女性。包容力のある声で、全異世界の中年男性を虜にする。料理が大好きでこの仕事を始める前は、よく近場の大型スーパーに買い物に行っていたが、今は特売日に買い物に行けないと嘆いている。125歳で二児の母。




 木曜日担当 『織家おりか 枝子えし


 異世界ニュース、木曜日の司会担当。ヴァンパイアの女性。その高いカリスマ性は男性女性、そして種族問わず惹き付ける。趣味は吸血で、この仕事に就く前は夜な夜な街を徘徊し、色々な生物を吸血していたが、現在は朝が早い為、夜昼逆転誤字にあらずの生活を求められている。現在、血液募集中




 金曜日担当 『花野はなの きん


 異世界ニュース、金曜日の司会担当。トロールの男性。身体が大きい為、顔が画面に映らないのが悩み。修野しゅうの はじめに負けないくらい仕事ぶり真面目だが、既婚者のためか修野しゅうの はじめを少々上から目線で見ている節がある。75歳、四児の父。




 土曜日担当 『宗祭しゅうまつ 吹葉ふぃば


 異世界ニュース、土曜日の司会担当。フェアリーの男性。体型はごく標準的で、その為自分の身体が映りにくいのが悩みの種。趣味はコスプレで、この仕事をする前は、週末は決まってコスプレをしてパーティーに向かっていたが、今はコスプレができず、自分が解放出来ないと悩んでいる。40歳。独身。




 日曜日担当 『芦田あした 出琴しゅっきん


 異世界ニュース、日曜日の司会担当。ハーピー。仕事はそつなくこなすが、うっかり3歩あるくと何の仕事をしていたのか忘れるのが、珠に傷。趣味は睡眠でこの仕事を始める前は、日曜日は実家で惰眠を貪っていた。現在は、睡眠時間を削って安眠したいと、訳のわからない事を口走っている。




 ……本当……彼等、彼女らがいなければ、皆さまに異世界のニュースを伝えることが出来なかったでしょう。感謝してもしきれません。

 ……お時間が差し迫って参りました。間もなくをもって、この『異世界ニュース』のほう






「ちょっと、社長!! 私もいるでしょう!?」





 ……申し訳ありません……いつも全異世界の天気をお伝えしている、この方を忘れるところでした……






 お天気の蛇お姉さん 『羅美亜らみあ 紅音くいん


 異世界ニュース、お天気担当のお姉さん。朝と夜、毎日2回ずつ全異世界の天気情報をお伝えしている。右手には画面を指す棒を持ち、長いきれいな尻尾は、画面を塞がないように端に設置されたアイコンを押すのに役立っている。このコーナーは、お姉さんひとりで担当ているため、負担が大きくスタッフに人員補充を進言中。





「……本当……忘れないでよね……」





 では、皆さん……今度こそ、本当にお別れの時間がやって参りました。

 今まで……本当に……ほんとうに……ありがとうございました……

 これにて『異世界ニュース』は、放送を終えます。



 そして! 明日からもまた! 皆さまに採れたて新鮮のニュースをお送りすることを! お約束しまあああぁぁぁす!!!




 さあ、おまえ達! 明日からも一緒に、この『異世界ニュース』をもり立てて行こうな!?




『七人のニュースキャスター達』

「うへー……い」




羅美亜らみあ 紅音くいん

「それよりも社長! 早く人員を募集してくださあああぁぁぁい!!!」

























        ……お・し・ま・い♪








 

羅美亜らみあ 紅音くいん

「……え? 号外話が追加された? 聞いてないんですけど??」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る