第21話 大は小を兼ねる
えー皆様、異世界ニュースのお時間です。
今日、某異世界、某国、某街で開催されたイベント『
『穴蔵小娘』とは、五人組のアゾマニー族が結成した女性アイドルグループで、結成当初は五人全員の身長が一メートル前後と低かった為か、人気があまり出ませんでしたが、リーダーの『イショウ・ブカブカ』さんの発案で、メンバー全員が身の丈に合わせて着ていた今までの衣装を一新、少し大きめのサイズに変えた所、人気がうなぎのぼりになり、今では全異世界で五本の指に入るほどの人気アイドルグループになりました。
その人気アイドルグループ『穴蔵小娘』のライブを一目見ようと、会場には開演三時間前から各異世界からファンが殺到し、街門からはみ出るほどの長蛇の列が出来ていました。
ライブが始まると『穴蔵小娘』達は、歌やダンスを披露し、特にトークでは袖の上からマイクを持ったり、腕からはみ出た両方の袖をくるくると回したりする仕草が皆を魅了させ、ファン達との楽しい時間はあっという間に過ぎました。
イベント終了後、ファン達は未だ興奮さめやまぬといった感じで、各異世界に帰って行きました。
『穴蔵小娘』リーダー
『イショウ・ブカブカ』さん
「今回は皆さん、私達の
ライブを見に来た人間族
『
「私、身長が142センチしかなくて……その事をよく周りの人達に馬鹿にされるんです。それでもう成人しているのに、引きこもりになってしまって……。でも『穴蔵小娘』の皆様達は、私よりも背が低いのに、すごく頑張ってファンを勇気づけてくれてる! 今日はライブを見に来られて、本当に良かったです!!」
ライブを見に来たエルフ族
『ロリエル・ショタフ』さん
「あ、あのね、あのね! 私、わたし! 今日のライブ、良い席を取るために三時間前から会場に来たの!! でもね、一番乗りじゃなかったの! 根性が足りないわね!! あ、でもね、ライブは天にも昇るほど堪能したわ!! もうあの、ちっこい五人衆が、お手々を出す為に袖をたくしあげたり、跳んだり跳ねたりした時に胴回りがちらりと見えちゃった時になんか、もう! て、感じで! あ、私の推しメンは『
…………………………『穴蔵小娘』は次回、某異世界の某国でライブを開催するそうです。
異世界ニュースのお時間でした。
続いて、屈指の人気を誇るエルフ族の女性アイドルグループ『森林大娘』の、新曲発表のニュースです……。
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