第16話 桜花の新装備

アーネがルビ達の所へ戻ると……。


「旨かった~アーネの分も食っちまった。すまん!」


「しょうがないわね~」

(レッドウルフの肉なのに……シュナちゃんの料理の腕、恐るべし!)


「ごちそうさまでした。」

桜花も満足そうに手を合わせる。


「桜花。早速だけど、これを装備してくれる?」

アーネの手には、白生地に赤の刺繍が施された女性用と思われる装備があった。


「うわぁ~可愛い!新品じゃないの!これ着ていいの?」

「うん!いいわよ。そっちに試着室があるわ。」

(ごめんね~それ中古なの……)


「私の見立てでは、胸のサイズはCカップくらいだし、それで丁度いいはずよ~」

シュナイダーことシュナちゃんは、ドヤ顔でそう言い放つ。


「C……カップだと……」

ルビは、桜花が試着室に入るのを見送るとアーネの胸に視線を向ける。


「何よ~絶対に私の胸と見比べると思ったわよ!このバカッ!こりない変態っ!」

アーネは、見えるはずがない服の上から両手で胸を隠し、頬を膨らませ後ろを向いた。


だが、そういった素直な反応をするアーネをルビは嫌いでなかった。

むしろ可愛いと思っていたが、それを口にしたことはまだない。


しばらくして。

「これでいい?着かたは合ってる?」


桜花は、少し恥じらいながら試着室から出てくる。

それは洗練された軽装備デザインで、胸の大きさとウエストの細さを強調してもいた。


「そんなに見つめないで……恥ずかしいの……変ですか?」

「ゴクリ……とても似合ってる!可愛いよ!」

ルビが鼻息荒く大興奮する。


アーネは、そんなルビを横目に装備のサイズを確認する。

「うん。いい感じね。さすがシュナちゃん!ピッタリのサイズよ。」


「そうでしょ~軽装備だけどそれなりに物理と魔法防御力もあるし、普段の服としても問題ない上物よ。アーネも服の新調したら?安くしとくわよ。」


「今日は急ぐからまた今度ね。さあ!城へ行きましょう。」

アーネは、ルビと桜花に店を出るように促す。


「そう?またゆっくり来てね。」

シュナイダーは、にこやかに送り出してくれた。


そんなシュナイダーを見つめるルビは思う。

魔王装備は、結局いくらで売れたのだろう?


アーネに問いただそうと思っていたが、店を出た直後にアーネが城への移動魔法を唱えたためにその機会は失われた。

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