16 仲直りと上書きと


「事故だったんでしょう? じゃあ、コータくんは悪くないよ。その女の子も」


 真白さんが微笑んだ。


「でもね、やっぱりヤキモチは焼いちゃうかな……」


 と、拗ねたような顔で付け加える。


「本当にごめん……っ」

「あ、責めてるわけじゃないよ。事故だったんでしょう? 本当にもう気に病まないで」



 真白さんは土下座したままの俺に覆いかぶさるように抱きしめてくれた。


「この件はもうおしまいにしよ? ね?」

「う、うん……」


 俺は無理やり微笑んでみせた。


 真白さんへの罪悪感をなんとかねじ伏せて、笑ってみせた。


 と、いきなり彼女に上体を起こされたかと思うと、そのまま床に押し倒される。


「真白さん……んぐうっ!?」


 強引に唇を奪われてしまった。


 俺は驚いてなすがままだ。

 舌をねじ込まれ、濃厚なディープキスになった。


 いつにも増して激しいぞ、真白さん……。


「ふうっ……とりあえず、一回分」


 真白さんが爛々と輝く目で俺を見つめる。

 これって、なんか……『肉食系女子』のスイッチが入っちゃってる?


「その子としたキスは、これで取り返したからね。私が上書きするんだから……っ!」


 真白さん――。


 俺は上体を起こし気味にして、今度は俺から真白さんの唇を奪った。


「んんぅ……!」


 重なった唇の隙間から、真白さんの甘い声が漏れる。


「ふふ、もっともっと上書きしよ……?」

「ああ……!」


 俺たちはうなずき合い、またキスをした。


 何度も、何度も。

 事故キスの記憶や感触を上書きするために。


 真白さんへの愛情を確認してもらうために。




「ふうぅ……っ、ずーっとキスしてたね……」

「うん、もう一時間くらい経ってる……」


 俺たちは顔を見合わせて苦笑した。


 そう、あれから本当に何度もキスし続けていたのだ。

 こんなに唇を重ね合わせたり、舌を絡めたりしたのは、初めてだ。


 もちろん、魅花とだってこんなキスはしたことがない。


「上書きできたかな……えへへ」


 真白さんが俺を見つめた。


「コータくんも、もう謝らないでね。悲しそうな君の顔を見ていると、私もつらくなっちゃう」

「……うん、ごめん。色々と……」


 俺は真白さんにもう一度キスをした。


「ありがとう、真白さん――大好きだ」




 そして俺たちは――。


 出かける予定を取りやめ、半日くらいずっと家の中でイチャイチャしていた。


 貪るように、体を求め合った――。




***

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