小説投稿サイトにおけるエロの扱いについての一考察と提言
黒井真(くろいまこと)
第1話 現状のカクヨムの問題点
この文章は、自主企画「★【賛同者募集】レイティング:性描写ありは、”18禁”にすべし!★」の企画に賛同して書いているものである。
私も、カクヨムのエロ作品の扱いについては思うところがあり、以下二点について早急に何らかの対策を講じる必要があると考えている。
一つは、未成年ユーザーも閲覧できる中で(自主企画を見ると小学生や中学生のユーザーもいる)「タイトル」、「キャッチコピー」に性行為を表現している(セックス、セフレなどの直接的な言葉のほか、えちえち、えっちぃなどと誤魔化しているものもある)ものが多数あること、
二つ目は、「奴隷少女を買う」、「女子高生を拾う」、「メスガキ」、「ビッチ」など、女性をモノとして扱うことを当然のように表現しているものや差別語が多数あり、さらにそれを出版してトップ画面で推していること、
この二点である。
前者については、「タイトル」と「キャッチコピー」はレイティングに関係なく、ランダムにトップ画面にダイレクトに表示されるため、小学生・中学生ユーザーであっても、
「~略~寝取られ、絶望する俺を清楚ビッチなアラサーお姉さんが癒してくれた」
「~略~目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで~略~」
「俺の家に入り浸っている腐れ縁のセフレが、彼氏と別れた日にはエロエロ~略~」
「巨乳推しのギャルゲー転生 ~巨乳美少女が攻略対象のギャルゲーの主人公に転生した俺、不本意でおっぱいやおしりを触ったり埋もれながらも~略~」
「青春は俺のバナナの中にある 〜クラスの異端児な俺にクラスでトップカーストのギャルのセフレがいるのに~略~」
「JK義妹と旅するえっちな車中泊~略~」
等の表現を目にするのである。これらが、小学校、中学校の掲示物として校内に掲示されていたら、問題だと考えるのが大人の良識であろう。では、スクールゾーンなら? あるいは、大人も子供も出入り自由な公共の場所なら?
子供からは見えない場所に隠した方がいいと考えるのが、正常な判断ではないだろうか。
さて、後者の差別表現に移ろう。これについては「表現の自由」という言葉を盾に抵抗する勢力が一定数いるであろう。
しかし、実際問題として人間は外部からの情報によって、その判断や思想が簡単に傾くものである。
ことに、日常的に使用する情報媒体において、偏った情報が圧倒的多数で露出された場合、認知バイアス=バンドワゴン効果が生まれる懸念がある。
そのいい例が、戦時下のプロパガンダである。情報統制により、特定の情報のみを発信し、反対意見は封殺される。
さて、カクヨムのラブコメランキングを見ると、男性のみの視点で恋愛と性を描き、女性を貶め、あたかも人格なきものとして扱ったタイトルとキャッチコピーが数多く並んでいる。「女子高生を拾う」、「メスガキ」、「ビッチ」などだ。
そんななか、とあるアカウント(ちなみに、今は削除されている)の近況ノートの記事で「ティンカーベル(女性)の数え方は匹の方がいい。だって、その方がえっちだから!」という内容を見かけた。
性の対象は、自分より階級的に下に位置しているものであるべき、そうあるのが望ましい、その方が性的興奮を覚える、という認識をもっているからこのような文章が生まれてくるわけで、これは女性差別的なコンテンツをサイト上に多数表示するカクヨムの姿勢が生み出したバンドワゴン効果の結果生まれたものではないだろうか。
もう一つ、例をあげてみたい。煙草についてである。
米国のダートマス大学などの研究によると、映画やドラマなどのコンテンツにおける喫煙シーンを見た頻度と喫煙率には因果関係があるという結果が出ている。(https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20190305-00117002)
実際、日本でも、各種コンテンツから喫煙シーンを削除したり、たばこCMを廃止して、テレビや映画などで喫煙シーンを見る機会を減らして以降、若年層の喫煙率は著しく減少した。
他施策による効果もあるとは思うが、実際問題、コンテンツが若者に与える影響は大きいのだ。
これらを踏まえて、今一度言いたい。
安易なエロを未成年に見せてはならない、特に女性差別を助長する内容のコンテンツについては禁止にすべきである。
改めてカクヨムに望む対策としては、
・ゾーニングの徹底(18禁モノの隔離)
・差別表現の撤廃
の二点である。
上記二点の対策について、次のエピソードにて、効率のよい実行方法について書いていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます