第4話
スクワットからのお山座りベッドは、ジローがどんどん大きくなってくるのもよく分かった。
やりだした頃は、頭が私の膝から出てなかったのに、どんどん頭の高さが上がってくる。
体重も増え、大きくなり、おひな巻きのバスタオルも、蹴ってしまって全然意味なくなってきた。
そろそろ次の手を考えなきゃいけなかった。
ではいよいよ、添い乳…やってみようか。
お山座りの間に、随分大きくなってきたし、授乳も安定している。
タローの時に挫折した添い乳が、今ならできると思った。
久しぶりに試してみると、ネットで方法を確認してイメージトレーニングもしていたからか、意外にすんなりできた。
そして、泣きもせず寝てくれる。
なんて楽なんだ!
こりゃいいや。
「添い乳、楽だよー。」と、勧めてくれた先輩ママの言った言葉を実感した。
ただ、添い乳のできる期間は短かった。
私は、最初は母乳の分泌が良い方なのだが、夜間授乳をほとんどしないからか、段々量が減って、ミルク混合になり、そのうちミルクオンリーになって、母乳は終了してしまったのだ。
タローの時よりも早かった。
ミルクだと添い乳はできない。
なので、添い乳の恩恵は少しだけだった。
それでも、他のママ達がしていることが私にもできたので、十分満足だった。
それにタローの時には惨敗したけど、リベンジを果たせたので良かった。
さて、だったら次はどうしよう?
この時点で生後6ヶ月くらい。
実は、生後4ヶ月後半くらいから、少し泣きが減ってきた感じがしている。
昼間もフメフメしていたジローは、ご機嫌でいてくれる日も多くなった。
昼寝は割と上手にできる日も増えた。
夜間はまだまだフメフメだけど、前ほどでもない。
でも、夜中は6時間以上続けて寝てくれるようになった。
成長も順調だとお医者さんにも言われてる。
いよいよ、ネントレする時が来たと思った。
少なくとも3日間、いっぱい泣くだろうと覚悟した。
泣いてもすぐに挫折しないように、気合いを入れる。
近所の人にも心の中で、うるさかったらすみませんと思う。
オムツを替え、夜寝る前のミルクをしっかり飲ませ、ゲップもさせたら、ネントレ開始。
ジローはミルクのおかげであくびしたり眠そうな感じになってる。
まずは何もせず、ゴロンと寝かせる。
置いてしばらくしたら泣きだす。
どんどん泣き声は大きくなる。
背中をトントンしてみる。
全く効果が無い様子。
やっぱりかー。
予想通り。
でも、大泣きは意外と短くて、5分程度で少し音量が落ちた。
でもやっぱり泣いているのでメリーを付けてみる。全然見てないし、気付いてない。
ケータイでオルゴールの音を聴かせてみる。
全く聞いてない。
泣き声で聞こえない。
歌を歌ってみる。
全然ダメ。
ネントレ、やっぱり止めようかと心が揺れる。
でも、試行錯誤してる間に段々泣き声の音量がまた小さくなってきた。
抱っこしても変わらないくらいの泣き方だと思った。
もう少しいけるかも、もう少し、と思ってドキドキしながらずっとジローを見続ける。ほぼ凝視に近い。
すごくすごく長い時間に感じる。
開始から20分くらい経つとまたウトウトする様子があった。
少し手応えを感じ、ここで止めて抱っこしたら逆に起きちゃうかもしれないと思った。
ウトウト→泣く→ウトウト→泣くの繰り返しだが、確実に寝そうになってる感じが分かる。
泣くのも惰性に近くなってきた。
そしてもうしばらく様子を見てたら、私が予想していたよりも早く眠った。
やった!
時計を見て確認したが、トータル1時間ちょっとくらいで眠ってくれた。
タローも、最初の頃は泣き声で起きちゃうかもしれないとヒヤヒヤしてたけど、全然起きることもなく全く気にもしてない。
なので、ネントレの間もすぐに寝てくれた。
一日目にしては、順調な仕上がり。
ホッとした。
そして二日目。
昨日が割と上手くいったからといって、今日もそうだとは限らない。
昨日と同じく、準備を整えてから布団に寝かせる。
ドキドキ。
どうかなー?
ん?
泣かない?
だって二日目だよ?
な訳ないよね?
少し待ってみたけど、普通にゴロンとしてる。眠ってはない。
このままいけるかなーと期待してみる。
しばらくしたらやっぱりフェッフェッと泣き始めるような様子。
でも、そこから泣き出すことはなく、泣くような泣かないような、微妙な感じが続く。
この状態で待つこと1時間。時間はかかるけどジローは自力で眠ってくれた。
3日目、眠りかけになると時々フェッフェッとなるけど、やっぱり1時間弱くらいで寝てくれた。
3日間の大泣きを覚悟していたけど、寝ぐずりはあっけなく卒業となった。
もっと早くすれば良かったかな、と思うこともあるが、成長してきたこのタイミングだからこそ、スムーズにできたのだと思う。
そして、寝る前に大泣きするというのは、ジローにとって習慣化されてしまっていたのだけど、泣きのピークが過ぎた今、ネントレした時に、“泣く必要がない”と気付いてくれたのかもしれない。
これにて、苦労と試行錯誤した寝かしつけは、ひたすら寝るのを待つ、ほぼ添い寝だけというスタイルへ無事に移行した。
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