第4話 自宅療養の終了

 やっと取り返した私室。

 これからは書き放題だと喜んだのは束の間。

 一文字も書けない日が続きました。

 倦怠感が半端なく、キーボードを打つことが出来なくなったんです。


 書きたいことはわかってる。

 でも体全体が何かを発信するのを止めている。

 なんて言うんでしょう。

 今は何かを受け取る時期だって感じました。

 

 何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ


 出典はわかりませんが、五十年近く前の本に同じ文言があるそうです。

 で、私が何をしていたかと言うと・・・。

 古いアニメの主題歌集を見てました。 


なんでがうちにあったのかは不明。

 ここのところ物置代わりにされていたから、きっと大掃除のついでにほうりこまれたんだろうなあ。

 でも、古いアニメの楽しいことよ。

 白黒で動きも絵も令和のものとはまるで違うんですけれど、その素朴な手書きの絵柄に込められたアニメーターさんの情熱がこちらに迫ってくるようです。

 お勧めはニンジャ系ですね。

 あ、タイトル書いたらダメなんでしょうか。

 他にも味のある作品ばかりで楽しい !

 もっと何かないかなーと動画サイトを漁る日々。

 喉が痛いけど、肩も痛いけど、お腹空いたけど。

 普段なら絶対見ない動画とか無料コミックとか回って、ゴロゴロと過ごして六日目の朝。

 突然喉の痛みが和らぎました。

 まだ痛みは完全に引きませんが、耐えれば何とか喉を通りそうです。


 ここでっ、支援物資の水が満を持しての登場です !


 飲みました !

 そりゃもう、ゴクゴクと飲みました。

 2リットルのペットボトルがあっと言う間に空です。

 保健所の皆さん、ありがとうっ !

 ミイラになる直前でしたよ。

 美味しい、美味しい。 

 水、美味しい !

 

 これで生きるのが楽になる。

 そう思ったのもつかの間、今度は咳と痰が襲ってきました。

 これがもう酷くて。

 コンコンなんて可愛いものではなくて、ゼーゼーグフォッゴホッみたいに治まると吐き気が来るほど激しかったです。

 咳をするって結構体力を使うようで、食べ物が喉を通るようになったというのに、あっと言う間に2キロ減です。

 辛かった・・・。

 この咳が禁足期間を二週間過ぎた今もまだ少し残っています。

 そして自宅療養十日目。

 やっとお解き放ちになりました。


「我が家のジャコウネズミさんが出てきたわー」


 ・・・好きで閉じこもってたわけじゃないもん。

 ちなみに私の部屋を占領してテレワークをしていた家族は、とっととノーパソ買って自分の部屋で仕事をしていたそうです。

 なーんでそれを二年前にしなかったのかなっ ?!


 次回、最終回。

 引きこもり生活で気が付いたことをまとめてみたいと思います。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る