戦え、陽性反応者 !・ コロナなんかには負けない !

たちばな わかこ

第1話 陽性になったので覚書を始めました

一日目。


 朝は35.8℃。

 特に自覚症状なし。

 お昼のファミレスでも、買い物に入った薬局でも36℃ありませんでした。

 ですが夕方帰宅したら、突然体全体が重くなりました。

 まるで子泣き爺をしょってるような感じです。

 とにかく重くてだるくて夕食抜きで布団にはいりました。

 念のために寝る前に測った体温は36.2℃。

 そして目がさめたのは翌0300。

 体温は38.7℃に上がっていました。

 ちょっと待て・・・。


二日目。

 

 早朝のlineで自分が濃厚接触者であったことが判明。

 問題の子はすでに収容所生活を送っているとのこと。

 もっと早く教えてよ。

 24時間開設の相談センターに紹介してもらった病院で受診すると、まちがいなく陽性であろうと言われました。


「検査はするけど、みなし陽性にするね。お薬代ただになるから」


 近くの調剤薬局でカロナールを処方してもらう。

 自宅療養とのことでそのまま帰宅して、家族に食料の買い出しを頼みました。

 熱は38.5℃。

 体調が特に悪いわけではないので、巣籠のしたくをします。


 巣籠。

 自室待機。

 つまり、我が家でたった一台のデスクトップパソコンがある部屋。

 ここ二年ほど自室であるにも関わらず早朝に追い出されて、夜もリモート会議があるからとギリギリまで戻れなくて、朝三時起きで必死で書いていた自室をついに取り戻しました。

 物置代わりにされていたので、家族が下宿から持ち帰ったテレビもある。

 これはチャンス !

 この機会にどんどん書き進めなければ !

 ・・・と楽観していたのです、この時は。


三日目。


 目が覚めたら喉がめっちゃ痛かったです。

 どれくらい痛いかと言うと、水を飲み込むのが難しいくらい。

 なんとか騙し騙し朝食を終えた頃、保健所から確認の電話がありました。

 でも、声を出すのも辛い。

 それでも現状報告を終えると、自宅待機者向けの食糧支援をしてくれるとのことで、有り難く頂戴することにしました。

 そして午後。

 オキシメーターと食料が到着。

 これが絶望の始まりでした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る