未来の技術
バブみ道日丿宮組
お題:未来の黒板 制限時間:15分
未来の技術
AR技術が発展してから同期システムと管理システムがとある企業が世界を握ることになった。そのおかげで戦争にもなりかけたが、完成された技術には対抗手段なんてものはできなかったらしい。
その戦争回数なんと数百回。
1つの企業vs世界がそんなにもやっても勝てないとなるとよっぽど凄かったんだろうなと机に表示されてる教科書をペラペラと捲る。
「……」
物量もない代わりに触った感触がある不思議な物体。
授業中ノートに書くということもなく、黒板に書かれたものが机に表示されて自動に保存されてく。書くという行為は試験ぐらい。
しかも大体膨大な資料を参考にして問いていいということだから、ライブラリの検索方法、場所の検査の予想が試験の醍醐味といってもいい。
その代わり、計算や感想文など感情に関する問題はいくら見ても答えは出てこない。頭の中の考えを絞り出すしかない。
技術なんてものは必要なく、人間性が大事という企業の方針。知識はあった方が越した方がいいにはいいが趣味でいい。必要なのはこれからをどうするか、これから自分たちの世界をどう変えてくかというのが世界を支配した企業の考え。
今でもハッキングを仕掛けたりする連中や、企業に軍を送りつけるところもあるらしいが1つの国となった今はもはやただの同族同士の八百長試合。
勝てないとわかってても迫ることをやめさせないこともまた前進させる秘訣らしい。ストレス発散とかそういう効果もあるにはあるらしい。
「……」
俺といえば、結局何をしようか全く決まらない。
仕事は卒業すれば、その人の個性を感想文や計算データを元に適切な仕事に割り振られる。貧困の差なんてものもなくなった。
株というものがだいたいなくなってしまったし、全員が全員同じシステムを扱えるようにと変えてしまったのだから、ある意味で世界平和は完結した。
AR技術でなぜそこまで一方的に勝てたのかは当事者にしかわからないんだろうけど、やりたいとも思わないな。
適当に生きて、適当に全うな暮らしが全員できるなら文句は少ない。
まぁ……問題は残ってるといえば残ってるから、完全解決とはいかないのが、人間という存在のいい加減なところかな。
「……以上で終わります。家でしっかりとデータを再確認すること」
チャイムがなると、教師がそういって黒板のスイッチを消した。
未来の技術 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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