みえるもの
バブみ道日丿宮組
お題:死にかけの絵画
みえるもの
※絵画かいたばっかりじゃないかな()
*****
孤児院前に捨てられた子どもがお金持ちに養子と迎えられたのが悪いからと、日頃から何らかのいじめを受けてた。水をかけられたり、教科書に落書きをされたり、不憫なことが多かった。
私は相談すること、叫ぶことなんてことはしなかった。自分は我慢しなきゃって自我のが強かった。私が何かしてしまったら、孤児院に残されてきた兄弟たち、姉妹たちに迷惑がかかってしまう。
「……はぁ」
だから、自然と隠れる場所を学校で見つけ出し、休憩時間はニンジャのように存在感を消すことにした。学校は面白いところと先に孤児院を出たお姉ちゃんに言われたけれど、今のところはどうだろう。
確かにいろんな勉強ができて、知らない本をたくさん読めた(さすがに授業中や、図書館でいじめはしてこないのは幸いなこと)。
教室に戻れば、また何かが消えてるだろう。なくなったものはお義母さんからもらったお小遣いでなんとか誤魔化しきれる。でも……いつか気づかれてしまう。愛想をつかされてしまうかもしれない。
笑ってる私が好きだっていってくれた、私を引き取ってくれたお義母さんたちを悲しませたくない。
「……うん」
なら、気づかれないように反撃にでるしかない。
かつてお姉ちゃんに呆れられた恐怖の美術作品でーー。
絵を描かなくなったのは、妹たちの世話を見たりすることや先生の負担をかけないお手伝いをしてたこともある。
本当の理由は、壊滅的に私の絵画が憎悪に支配されてること。見えてないものを、心の中を描いてるとお姉ちゃんはいってた。
自画像や、お客さんを描いて試すと悪い人と、良い人が絵に現れる。もちろん、私には悪意があってそう描いてる自覚なんてない。ただそのまま描いてるだけに過ぎない。
そうしてーー封印してたような死にかけてた絵画を私は美術の授業で描いて注目された。
『囚人が悪魔の微笑むを持つ天使に迫害されてる』
そんなものだった。
この絵画は学校で有名になり、特別の賞をもらった。
それ以来、いじめはなくなった。
天使は、彼らだったからーー。
みえるもの バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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