屈辱なシステム

バブみ道日丿宮組

お題:生かされた絵画 制限時間:15分

屈辱なシステム

※いや、なんか絵画しかまじに今月かいた覚えがry


*************

 

 証拠隠滅としてボクの絵画のいくつかが火の中に次々と投げ込まれてく。

「……」

 それを黙ってみてるのは屈辱に近かった。

 どうして自由の発想を否定する。どうして芸術をわかってくれない。

「あとのゴミは100個か、めんどくせぇな」

 作業員がふいにそんな愚痴をこぼした。

 両手両足を塞がれてるボクには文句の一つすら言葉にできなかった。

 そのことがわかってるからか、作業員はこちらをにやりと笑って、

「ゴミはゴミの中へ入れてやりたいんだがな」

 絵画を破き、踏みつけ、唾を吐きつけ、そして火の中へと入れてようとし、

「なぁ派手にやろうぜ。たまたまアルコールがあってさ」

「おいおい貴重な酒じゃねーか。まぁ……いいか。この処分でオレたちは金がもらえるんだからな」

 げらげらと笑う作業員は、ボクの学校の生徒。

 現実感を欠いたものは全て例外なく価値観のないものとして処分した映像と共に報告するとお金がもらえるシステムがこの国にはある。おまけに描いた本人にそれを見せつけるという制約まである。

 システムに違反したものを永遠に晒し上げるために、繰り返させないために映像としてサーバーに保存する自由のないシステム。

 彼らはそれを報告し、実行してる最中。

「……」

 涙を流すことしかボクにはできない。

「こいつ泣いてるぜ」

「傑作だな。違反者が逮捕されないだけマシだって言うのにな」

 笑い声が頭の中で響いてく。

 逮捕せず、精神的に負荷をかけて構成させる。

 システムを作った作者はそのようにいった。賛同者はなぜか多かった。お金持ちは例外という制約があったからだろう。

 今では制作をするものなんてごく僅かになってしまった。世界遺産は個人遺産に変化した世の中で、誰も作りたがらないのはシステムとお金持ちのせい。


 数時間の地獄のあとボクは灰になった絵画だったものを拾ってみた。

 するりと風で流れて飛んでいった。

「……」

 残されたのは、母の似顔絵。

 ボ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

屈辱なシステム バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る