錬金のレプリカ
バブみ道日丿宮組
お題:真実の錬金術 制限時間:15分
錬金のレプリカ
禁忌とされてるものは所詮人が作り出した『異端で危険である』、『不可能』、『道徳の価値がない』とされるものがあてはまる。そしてその術を実施した者は同じレッテルを貼られる。
法律が法律として守るルールとして存在するのと同じことだ。
とはいえ、僕らがいる世界は法律などはもはや幼稚園児ですら破ることがある。殺意がなくても彼らの中で眠る力が錬金術として、牙をむく。講師として力はある。
だが……真実を見極める錬金術の前では例え力があろうと何が起こったかを理解する間もなく術が発動する。
かつての妹がそうであったように。
「……こいつではないか」
僕は過去に失敗した双子の妹のレプリカを探して、世界の施設を見て回ってるがなかなか見つからない。錬金術で自分を変化し続けて周囲を誤魔化してると、妹は言ってた。
自分で探せればいいとは思うが、奪われた力はレプリカに全てうつった。錬金術の真実が見えるとまで言われた妹が実行したのは、その未来を見るための術。代価として自分のレプリカを用意した結果がこうまでおかしなことになるとは、当然僕も政府ですら理解してなかった。
「……」
そんな危険人物がいるとは世間には公表できない。
妹は、天才の錬金術師としてい続けなければ、政府はテロなどの事件を圧殺できない。力はこちらがあると見せつけなければいけないのが現状だ。
だから、こうして兄が代わりに探さなきゃいけなくなった。
なんとも不思議な気分だ。
妹のレプリカが妹以上に進化し続けて、もはや錬金術ではない何かを求めて動いてる。その何かを見てみたいと思ってしまうのも、妹と同じ血を持つからかもしれない。
「どうでしたか?」
「いえ、気の所為でした。ですが、彼女は後にいい術者になれると思いますよ」
喜びに溢れた保育士はそのことを嬉しそうに母親に報告しに消えた。
「……」
同じものに同じものをぶつけようと、妹は言ってたが同じように自分勝手なレプリカになっても困る。対象が二人になるともはや誰が誰なのかというレベルだ。
分裂はしないだろうが、何をしでかすかもわからない。
地図を開き、施設に☓をつける。
次の目的地まではまた自然に目を向けるとしよう。
錬金術が一般的になった世界は、今や自然破壊、動物との共存がうまくいってる。お互いがお互いをカバーできる関係になってる。
キレイな世界だ。
ただ一点、人間同士の争いーーこれだけは過去も現在も今だ変わらない真実。
何を代価に支払っても変わらないシンプルな……。
錬金のレプリカ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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