子どもが主体の世の中
バブみ道日丿宮組
お題:ワイルドなあの人 制限時間:15分
子どもが主体の世の中
台風といえば例え電車が止まろうが会社にはいかないといけない法律。
不満だらけの社員たちは止まった電車がいつ復帰するのかとイライラしてる様子。
「……」
学校にはそんな法律はなく、休みたい時には休んでいい。嫌なことは告発して真実であった場合、その罰則が与えられる。また嘘であった場合は逆にその告発した本人に罰則が与えられる。
つまりは、子どもには最大の権利を、大人には最低の権利を。
ボクは学校が休みだというけど、いつものように学校に向かう途中。電車は止まってるが会社員と違って1駅分濡れるのを我慢すればいいだけ。
憧れのあの人は、こんな中でもきっと元気に校庭で遊んでるだろう。いいインスピレーションの材料は早く見たい。
ただ……駅を肩越しに振り返ると、いつか自分もあぁして子どもよりも権力のない世界に入らないといけないと思うと、行方不明になった友だちの気持ちがわからなくもない。
学校につくと、生徒もいないのに教室、体育館、校庭を除く全ての施設で1人教師が黙々と誰も居ないのに講義を行ってた。
その顔に不満そうな顔はなく、真剣そのものだ。
時たま質問を投げて、その回答を褒めたりと不思議な光景を見せてくれる。無論、ボクが教室に入ればその不思議な光景も立派な授業になるが、彼らにはその強制権はない。
学校は休みーーそれはあくまでも生徒……子どもだけであって大人は対象外。理不尽に思えるかもしれないけど、残り少なった子どもをどうにかして守るために生け贄として大人が全てを覆う法律になったから致し方ないことだ。
母親も、父親も日々仕事に仕事。
ただ、失業者もいなければ働いてない人もいない。もちろん、隠れて過ごしてる人もいるけど、大体は逮捕され強制的に働かされる場所に配属される。
普通以上の倍の倍。
死ぬことも許されないループに追い込まれる。
ちなみに、この隠れてる人を大人が告発すると自由な時間をなんと3年も与えられる。だからこそ、クラスメイトとはある意味共同戦線みたいなもの。裏切り者は粛清するという感じ。ちなみに関係性がある人物なら、複数人この賞金のようなものはもらえる。
「……はぁ」
これが本当に子どもを守るために考えた最前線の答えなのかと思うと、違和感しかない。
校庭がよく見える廊下にいくと、いつもの男の子が見えた。
講師に混じって一緒にサッカーをしてる。
「……」
良い構図。
家族でもないのに、どこにも愛があるイメージ。
スマホでぱちりと何枚か絵描き用に撮ると、ボクは家にそのまままた台風の中を歩いて帰った。
子どもが主体の世の中 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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