ひとりディフェンス

やさい

第1話

いじめでひとりの人生が変わってしまうことがある。

いじめられていることを家族や親しい人に打ち明けることができない。

それもどこかしらで自分のプライドが傷つくのが許せないのか、これ以上状況を悪化させて他の人に迷惑をかけたくない気持ちがあるからだと思う。

みんな、ひとりで世間から自分のことを必死でディフェンスしているんだ。


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「お前、浅中の坂本だろ?」


俺と同じ背丈ぐらいで、いかにもスクールカーストで上位に入るような爽やかイケメンが揶揄うように話しかけてきた


「ーーあ、確か足狭中のサッカー部でFWやってた7番だった人...」


「沢村だよ!お前うちと試合する時いつもオフサイドばっかだったやつだよな!!」


と笑いながら話してくる。内心嫌気を差しながらも


「同じクラスだったとはな!これからよろしくな!」


とたまに人当たりが良くなるのでなんとも言えない。


「そういえば、坂本ってサッカー部入るだろ?なんか俺1人じゃぼっちみたいに思われるから一緒に仮入部行こうぜ!」


なんとなく都合の良いやつになっている感がするが、俺は今年の春からこの稲村ヶ崎高校に入学することが叶ったのだ。


この高校は海沿いにあるせいか、若者言葉で言う陽キャのパリピの人たちが通う高校みたいなイメージがついている。


しかし、中学校でよっ友ぐらいしか作れなかった俺からしたら有難い話だった。


中学校時代は自分から声を掛けずに受け身でしかなかったので親しい友達がいなかった。


「おう。いいぜ放課後一緒に行こうぜ」


少し陽キャぽっく言ってみた。なんとなく相手の口調に似せてね。


「よっし!じゃあ決まりだな」


放課後一緒にサッカー部の仮入部に行くことが決まった。


すると、話が終わったことを見計らったように女子が集まって来た。


え、なにこれなんかのハーレム漫画の主人公?と思うほどに沢村は入学初っ端から人気者だった。


「ねぇー、名前なんて言うの?」


「ねね!連絡先交換しよ!」


「クラスの親睦会やるから沢村君もきてよ〜」


うん。羨ましい。


何人かこっちにも来て話しかけてくれてもいいんだよ?と思ったがその願いも虚しく叶わなかった。


「・・・・」


結局、自分がこの場にいることが耐えられなくなってその場から離れた。


イケメンで女子にモテモテな奴って男から反感を買うのかなと思っていたが、屈強な男共が女子と一緒に沢村のことを囲んでいるので少し唖然とした。


この日の学校行事は学校始まりたてのお決まりイベント、自己紹介から始まりその他決まり事や今後の予定などを聞かされて放課後を迎えた。


そして、仮入部。


沢村とともにグラウンドに向かう。


そこで衝撃の事実を知らされる。


「あー、新一年生の諸君。今日はサッカー部の仮入部に来てくれてありがとう。早速だが練習着に着替えて海岸沿いを走ってもらう。」


え!!なにそれ。


仮入部って最初は自己紹介したり見学とかじゃないの?


そもそも練習着持ってきてないし。

そんなことを焦りながら思っていると、


「タイムを測り、早かった上位3名だけがボールを蹴ることができるから覚えておけよ」


と、重要なことも言ってくる。


そんなこと言ってもそもそも練習着持ってきてる奴いるのかよと思ったが、俺以外の全員が持ってきていて何故かアウェイ感を感じてしまった。


しかし、そんなことを思っている暇もなく仮入部の参加者は練習着に着替え始め各々アップを始めている。


このままだとまずいと思いサッカー部の先輩らしき人に練習着がないことを伝えると


「あー、じゃあ今日は帰っていいよ」


「見学とかさせてもらえないでしょうか」


「そう言われても走るのただ眺めることになると思うから帰れば?」


感じの悪い陽キャ先輩にサッパリ言われ、先輩は部室の奥に戻っていった。


ごめん、沢村。

一言声を掛けてから帰りたかったが、周りのアウェイ感に負けて煙を巻くようにして帰った。


こうして僕の学校生活一日目は、少し心残りがある状態で終えることになる。


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夕日で海が輝いている。


学校から小さい駅まで緩やかな坂が続く途中、白髪の同級生と思われる女の子を見かけた。


学校初日から大胆に髪の毛染めて高校デビ

ューかとひとりで感心している自分がいて、自分でお前は何様だとツッコミを入れた。


そんな具合で白髪の女の子の後をストーカーだと思われない間隔で歩いていると前の白髪の子が改札で止まった。


ま、まさか、俺疑われてる?と思っていると


「財布が無い」


「どうしよう、お金結構入ってたんだけどな」


「どうやって家帰ろう」


「あのー、すみません。よかったら俺のsuica使ってください」


「あ、全然大丈夫です。」


「俺の家学校から近いんで、全然大丈夫っすよ」


「でも...」


「俺suica二枚持ってるんで一枚あげますんで返さなくて結構っす。」


「そんな...」


「じゃあ、自分この後用事あるんで帰ります。」


陰キャ特有の早口で駆け抜け、その場からそそくさと退散する。


やべー。今の女の子結構可愛かったなー。胸も大きかったし、今日はラッキーだな。


男子高校生が一人ではしゃぎながら帰り道約一時間掛けて山を越え家に帰った。



                 続く

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こんにちは。小説を書こうと思ったのですが、いかんせん初心者のもので小学生が書くような文章になってしまい読みづらいと思います。また、気が向いたら続きを書いていこうと思います。

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ひとりディフェンス やさい @tonkatsu1222

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