四月二十二日

私には彼らの声が聞こえない。

それはなぜかわからないが、たくさんの仮説は立てられる。

騒音のせいか、思考の雑音のせいか、聴力の弱さのせいかだろうとは思うが、どれかはわからないし、分かろうとも思わない。或いは思えない。


最近は私の話ばかり書いている気がする。

私の僅かに、上品に膨らんだ胸の内側には、たくさんの言葉が渦巻いているのだから、仕方ないのだが。


この世にはたくさんの情報が渦巻いている。

それはまるで竜巻のようにね。

私は、そのどれも信じていいし、信じなくてもいいし、見てもいいし、見なくてもいい。


私は自由の刑に処されているし、それは世界中のおおよその平和な世の中に住む人間はそうだ。

何を選んでも不正解だ。必ず反論や反感を買うことになるだろう。

それなら、信じてもいいと思える不正解を選び、それを信じて時に疑って生きればいい。


人は考える葦なのだから、思考を止めるべきではないと思う。

考えて、考えて、信じたいことや、やりたいことを見つけて、それをひたすら見つめて、すがって生きていけばいいと思う。


誰のことも信じないようにしようと思った。

それは、人は嘘をつくし、秘め事をするからだ。

けれど、それももう終わりにしようと思う。信じたいことを見つけるのだ。


酷く雨に打たれた。

それでもなんだか、清々しかった。

この感情はどこで調べられるのだろうか。


おやすみ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る