僕らの生活に助けなどいらない

竹内こぴん

第0話 ここは、しあわせシェアハウス

 この世の中には、いろんな家がある。古いアパート、洋風の一軒家、何もかもが高い高層マンション、個性あふれるシェアハウス...こんなにも家が溢れる世の中で、奇跡的、必然的に集められたシェアハウス。そう、今日からここは、『しあわせハウス』



「うわー、ダッサ」

静まり返るリビングで、若い女の声が響いた。

「た、確かに、言われてみれば...」

「しあわせってなんだよこれ」


こんなにも気まずかった部屋が、シェアハウスの名前のグチでいっぱいになってしまった。まぁ、10人もいればそうもなるものだ。


  パチン 

 

背の高い男が、手を叩き、注意を呼びかけた。


「はいはい、皆さんの言いたいことはわかる。これに関しては、俺も納得行ってないからな、」

「いやいや、お前が考えたんじゃねぇのか。このチラシ、お前が作ったんだろ。」


よく見ると、10人全員が厚紙のように丈夫な紙を持っている。どうやら、全員このチラシを見て、このシェアハウスに来たらしい。


「あぁ、俺が作った。だが、名前を考えたのは俺じゃない。この家の管理人だ。あまりよく知らないが、このシェアハウスに関しては、俺が任されてる。この家のことは、俺に聞いてくれ。管理人、どうやら面倒な女らしいからな。まぁ、とりあえず自己紹介だ。ほら、このテーブルに座って。」


10人で囲めるほど大きいテーブルに、全員が順番に座った。



男と女、5人ずつ。左右に綺麗に分かれている。

いかにも好青年な奴もいれば、今にも怒鳴りそうな勢いのおじさん、ぶりっ子っぽい女子もいれば、女子からモテるタイプの女子。これがシェアハウスの醍醐味と言わんばかりのメンバーで、良い大人が集まって、これから地獄の自己紹介タイムが始まるのだ。

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