第278話 武闘大会本選の朝
◆◇◆◇◆◇
武闘大会本選当日の朝。
昨夜訪れた魔導具店〈月華の燈〉にて購入したアイテムの内、丹薬を除いた
その際には、ジン・オウとして使用している現在の装備の複製品からも【
[アイテム〈
[スキル【死蝕魔刃】を獲得しました]
[スキル【残命死攻】を獲得しました]
[スキル【付死纒鱗】を獲得しました]
[スキル【竜ノ死宝】を獲得しました]
[アイテム〈
[スキル【命喰魔刃】を獲得しました]
[スキル【生命蒐喰】を獲得しました]
[スキル【製命転輪】を獲得しました]
[スキル【竜ノ命宝】を獲得しました]
[アイテム〈雷精白天衣ビャクライ〉から能力が剥奪されます]
[スキル【磁雷装甲】を獲得しました]
[スキル【飛雷鳥葬】を獲得しました]
[スキル【雷精出力】を獲得しました]
[スキル【瞬雷閃脚】を獲得しました]
[アイテム〈氷狼の冷脚〉から能力が剥奪されます]
[スキル【冷闘戦舞】を獲得しました]
[スキル【裂蹴氷牙】を獲得しました]
[スキル【氷狼の護り】を獲得しました]
[アイテム〈
[スキル【
[スキル【霧刃殺到】を獲得しました]
[アイテム〈霊絡槍アマツガム〉から能力が剥奪されます]
[スキル【干渉ノ穂先】を獲得しました]
[スキル【質量操作】を獲得しました]
[スキル【物質操作】を獲得しました]
[アイテム〈仙練のネックレス〉から能力が剥奪されます]
[スキル【星気蒐集】を獲得しました]
[スキル【星気制御】を獲得しました]
[スキルを融合します]
[【霧金淼刀】+【霧刃殺到】+【冷闘戦舞】=【霧陣淼凍】]
[【裂蹴氷牙】+【氷狼の護り】=【凍狼拳】]
アイテムからの能力剥奪だけでなく、一部のスキルの融合も済ませてから迎えた朝。
先ほど全ての丹薬の解析が終わったため、朝日に照らされながら購入した丹薬を順次取り込んでいった。
[アイテム〈天級丹薬:冷月〉を使用します]
[該当アイテムの力を吸収中です]
[吸収作業が完了しました]
[特殊条件〈氷星内包〉〈氷星の天仙〉などを達成しました]
[スキル【氷冷仙法】を習得しました]
[経験値が規定値に達しました]
[スキル【蒼天仙武掌】を習得しました]
冷月から得られた大量の氷の星気を、同じく魔導具店で購入した秘伝書通りに制御したことにより、無事に【氷冷仙法】を習得することができた。
失敗作の丹薬であるため尋常ではない冷気に身体が侵されたが、氷系の力には慣れているので、仙法スキル習得で余った氷の星気を【凍狼拳】へと流し込み、更に【蒼天仙武掌】を習得するほどの余裕がある。
融合して手に入れたばかりの【凍狼拳】が【蒼天仙武掌】に置き換わってしまったが完全な上位互換なので良しとしよう。
[アイテム〈仙霊級丹薬:天陽〉を使用します]
[該当アイテムの力を吸収中です]
[吸収作業が完了しました]
[保有スキルの
[スキル【陽光仙法】がスキル【光星天仙法】にランクアップしました]
[スキル【仙術】がスキル【星仙術】にランクアップしました]
[ジョブスキル【
失敗作の危険な丹薬であっても
それだけでなく、一連の星気の制御と吸収作業は【仙術】と【高位仙術師】の熟練度を上げるのにも役立ったようだ。
伝説級に認定されるほどの丹薬に内包される星気を支配してみせたのと、【天仙武体】による仙術適性が極まっているのが原因だろう。
そんな上々の結果に満足しつつ、残る最後の丹薬を摂取した。
[アイテム〈仙霊級丹薬:黒宝〉を使用します]
[該当アイテムの力を吸収中です]
[吸収作業が完了しました]
[保有スキルの熟練度が規定値に達しました]
[スキル【黒闇仙法】がスキル【闇星天仙法】にランクアップしました]
[特殊条件〈星仙術取得〉〈強奪の王〉などを達成しました]
[スキル【吸星仙術】を習得しました]
ふむ。【黒闇仙法】が【闇星天仙法】へとランクアップしたのは予想通りだが、まさかランクアップしたばかりの【星仙術】が変化するとは……。
黒宝は今回摂取した中で唯一の失敗作ではない丹薬であるため、内包する星気の量は最も多かった。
【闇星天仙法】へとランクアップした後も残っていた大量の闇の星気は、本来ならばランクアップ後の体内星気の流れの変化によって体内から漏れ出し霧散していただろう。
だが、それだと勿体ないので、天陽の光の星気の余剰分と同様に余すことなく吸収するべく、体内から漏れ出ないように完璧に制御した。
その貪欲さが功を奏し【吸星仙術】の習得へと至ったのかもしれないな。
「終わりましたか?」
以前にも増して強化された星気への干渉力を確かめていると、背後から声を掛けられた。
振り向いた先には金髪紫眼の美女がおり、その澄んだ冷たい美声は普段から聞き馴染みのあるものだ。
「ああ。全て問題なく取り込めたよ」
「それは良かったですね。リオンが私と同じ属性に染まっていくのは良いことです」
「氷だけでなく炎もあるぞ?」
満足そうな表情を浮かべる人族へと変装中のリーゼロッテに見えるように両手を掲げると、右手には【蒼天仙武掌】で冷気を纏わせ、左手には数日前に手に入れた【紅天仙武掌】で火気を纏わせてみせた。
それを見たリーゼロッテが背後から抱きついてきて無言のまま首を絞めてくる。
首を拘束している腕越しに『一言多い』という意思が伝わってくるようだ。
そうして暫しリーゼロッテと戯れあっていると、彼女と共に旧都にやってきたシャルロットが声を掛けてきた。
「リオン様、リーゼロッテ様。お二人の仲が良いのは結構なことですが、そろそろ会場に向かいませんと開催時間に遅れてしまいますよ?」
「それもそうだな。シャルロットの言う通り、そろそろ出発した方が良さそうだ。ほら、リーゼも離れてくれ」
「仕方ありませんね……」
渋々といった様子で離れたリーゼロッテの服は、俺に密着していたことで少しシワシワになっていた。
シャルロットと同じくリーゼロッテに同行して旧都に来ていたフィーアがすかさず近寄り、リーゼロッテの身嗜みを整えていく。
帝国の
本邸付きのメイド達によるジャンケン対決で同行者が決められ、最後まで勝ち抜いたフィーアが選ばれたらしい。
フィーアはそんな理由からだが、ドラウプニル商会で俺付きの秘書をしているシャルロットがいるのは、俺が商会以外のことで忙しくて専属秘書である彼女の時間が空いていたからだ。
商会での彼女の仕事も無くもないが、緊急性もまたないので自由が効く状態だった。
先日の戦争時に商会の仕事や負傷者の治療、魔王戦での〈聖者〉としての祝福などで働いてくれたことによる礼もしたいと思っていたので、リーゼロッテとフィーアを迎えに行った際に一緒に連れてきたのだ。
設定はフィーアと同じようにリーゼロッテ付きのメイドであるため、フィーアと揃いのメイド服を着ている。
魔導具を使って本来の
普段の秘書然とした格好も良いが、この姿も捨て難いほどに似合っている。
正妻として俺の試合を観ないわけにはいかない、と主張するリーゼロッテの発言がキッカケではあったが、そのおかげで普段とは違う龍煌国風の装いをした三人の姿を見ることができた。
脚部のスリットが艶めかしいリーゼロッテが着ている
三人とも本来の種族や眼、髪の色から変化させているため中々に新鮮な姿だった。
実家の用事があって来れなかったマルギットとシルヴィアだけでなく、仕事で来れなかったオリヴィアやヒルダ達が着た姿も見たいので、彼女達の分のファロンドレスは必ず用意しておくとしよう。
「ねぇねぇ、セレナさん。なんか、ご主人様の目がギラついてません?」
「本選に向けてリオンくんもやる気になってるんじゃない?」
「うーん、なんか違う気がするんですけど……」
少し離れたところからカレンとセレナの会話が聞こえてきたが、それには反応せずに丹薬摂取中に部屋に戻ってきていたエリンに声を掛けた。
「馬車は到着したか?」
「はい、既に宿の前に到着済みです」
「サイズは?」
「前の馬車よりも大きくなっていました。車内も確認してきましたが、あれでしたら全員が余裕を持って乗車できるかと思います」
「それなら良かった」
同行人数が倍近くに増えたことで元々の高級辻馬車では少し手狭にだったため、乗車人数に余裕がある一つ上の大きさの馬車に変更してもらった。
前日に急遽人数が増えることが決まり、それから連絡したので馬車の用意ができるか不安だったが、どうやらちゃんと手配してくれたようだ。
急な要望にも応えてくれたし、御者にチップを弾んでおくか。
【
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