記録No.2 互いに好敵手
「フレアッ」
俺は片手で何とか眼前に迫る永仁を抑えながらフレアを炊いた。
ミサイルの軌道が乱れ、あちこちに向かって飛んで行った。
そのミサイルが、なんの偶然か分からないが、俺の見つけていなかったウォール発生装置も吹っ飛ばしてくれた。
そこにさらにいい情報が入る。
「オート起動プログラム、正常に作動、戦闘支援システム、直ちに戦闘を援助する』
システムが起きてくれた。
「待ちかねたぜ!システム!」
「…起動が遅れたことについては謝罪、しかし、マニュアルで強引にエースと互角に戦闘するのは至難の業』
「急に褒めんなよ、手元が狂うだろ」
「否定、修正は本システムの役目』
「じゃ頼むぜ」
システムは直ぐに仕事を始めてくれた。
永仁の腕を掴み、カウンターを取られぬように放り投げた。
これで距離が取れた。
《…貴様、今なんと言った?》
「はぁん?システムが起きた、それだけだが?」
《…今までシステムは起動させてなかったと?…》
「そう言ってんだろ…」
《なんと…》
何か、奴が驚いたような声を出している。
…だが、イマイチ心当たりがないのだ。
「お、来たか」
《なっ…クラスター弾…?!》
空高く、我が相棒の援護が舞って、急降下してきた。
さながら先程の俺のようである。
「…ディー、この距離じゃ、これしか無理だったよ」
「ありがとな、シャロ、助かった、そんでもって追加のお願いなんだが…」
「私もそれが分からないほど馬鹿じゃないよ、撃てばいいんでしょ?」
「よしいい子だ、帰ったら散々甘やかしてやろう」
「…その時の気分によるよ…」
そうして戦艦に対する砲撃が始まった。
ようやく迎撃戦開幕である。
「オラァ!」
《甘いッ!》
そして再幕のプロVS候補生。
「どらァ!」
《ぬっ》
盾によるストレート、避けられる。
《せいっ!》
「ぐっ」
永仁の刀による刺突、盾と刀がギリギリと音を立てる。
「ッチ、隙のねぇ野郎だ」
《そういう貴様もあまりないがな》
「あったらあんたと戦えやしねぇよ!」
刺突を斜めに受け流し、後ろ回し蹴りを放つ、が無論当たらない。
「ほれ!」
《ぬぉっ、投げおった》
手に持っていたナイフを上方に逃げていた永仁に投げた。
が、どういう反応してるのか、軽々と弾かれてしまった。
俺はつい、
「あんたほんとに人間かよ…」
《…それをいうなら貴様も、たいがいおかしいがの》
「…あん?」
後半の声が少し、いや、性別が真逆になるほど変だった。
「…女?」
《…せやぁっ!》
「女かよ!?」
俺は驚いて避けてしまった。
相手もその隙を逃さず、
《この声を聞いた敵は誰一人として生かさぬ!》
こちらのコクピット目掛けて、刀を構え突っ込んできた。
俺はそれを寸前で避け、その結果機体同士の距離がゼロとなった。
「…俺は何も聞いてないぜ?エースさんよ」
《貴様ァァ…このっ!》
「どわっ…」
蹴りが右腹部に刺さり、かけた。
腕部でなんとか抑えた。
《馬鹿にしおってぇぇぇ!!》
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