クリスマスお泊まりデート
クリスマスイブ。 学校も終業式で早く終わり、隼瀬と冬未はそのまま自宅には帰らず、電車に乗って大分方面へ向かう。
「今までもずっとクリスマスは冬未と一緒だったばってん、ちゃんと付き合うようになってから初めてだし、お泊まりなんて・・・・・・ふふ、僕、今凄い幸せ」
「私も、どぅふふ」
初めてのお泊まりデートに、いつもよりテンションが上がってデレデレ気味の隼瀬に、冬未も気持ち悪いくらいデレデレである。
大分県竹田市 某遊園地
「着いたー!えーと、まずは被り物買お、冬未」
「私も被ると?!」
「当たり前たい!おそろにしようよ」
「はいはい」
恥ずかしいなと思いつつも、隼瀬の言う事には逆らえないゲロ甘ダーリン、略してゲロダリの冬未である。なんか汚いけど私もそんなダーリンが欲sゲフン。そんなゲロダリ冬未も隼瀬とお揃いのキャラの被り物を買って、日が暮れるまでに色々とアトラクションを回り、あっという間に日が落ちてきてイルミネーション点灯、クリスマスの特別パレードの時間となる。
「わぁ綺麗ねえ、冬未」
「は、隼瀬の方が綺麗よ」
「えへ」
「あ、隼瀬、あのキャラ初めて見たばってんなんて言うと?」
「あれはね・・・・・・」
そこから隼瀬が熱い語りをしている間にパレードも終わり、二人は今夜の宿へと到着し、やっと腰を下ろす。
「僕、大浴場苦手だけんお風呂付きのお部屋でよかった」
「だろ?それに私が風呂入っとる間、隼瀬が先に出てまたナンパどんされたら嫌だし」
「今日みたいな日にこぎゃんとこ来るもんでナンパなんかする人おらんと思うばってん」
「ばってん分からんたい。用心に越したこつなかばいた」
「まあそっか・・・・・・」
最近、1人で街を歩いているとやたらと女の人に声をかけられることが多くなってきた事を思い返し、冬未の言う通り自分も気をつけようと思う隼瀬である。
「ほんでご飯の時間までまだあるし、先にお風呂入っちゃおっか」
「うん」
ゆったり露天風呂を堪能する二人。いつも一緒にいるとはいえ、こういうところではやはりいつもとは多少違うムードである。
「いつもはそぎゃん思わんとに、なんかこういうとこだと恥ずかしいな・・・・・・」
「隼瀬・・・私、我慢できん!」
そう言いながら手で胸と下を隠す隼瀬が妙に色っぽく見えて、飢えた狼のようになる冬未である。
そして、そんな狼さんが満足した後、クリスマスディナーのコースに舌鼓を打つ二人。
食後
「美味しかったぁ、僕こぎゃん高そうな料理初めて食べたよ」
「喜んでくれてよかった。せっかく来たつにいつもんごつ焼肉とかじゃ隼瀬に申し訳にゃあけんね」
「よく男心分かっとんね。さすが僕のダーリン」
そう言いながら冬未に抱きついて頬にキスする隼瀬。今日の彼は旅のテンションのせいかいつになく積極的であった。
「ねえ冬未、歯磨きしたら・・・・・・ね?」
「!!」
「いっぱいしよ」
別にはっきり何をとは言ってないのであるが、その隼瀬の一言で冬未のボルテージは最高潮に達し、結局この夜は10回延長戦までやって引き分け?、翌朝・・・・・・
「もう、昨夜は凄すぎだって冬未ぃ」
「元は隼瀬が言うたっだけんね、ほらチェックアウトもうすぐだけんはよ行くぞ」
「ふぁぁい」
なんとか無事チェックアウトを済ませ、まっすぐ駅へ向かって帰りの電車に揺られる二人。正確に言えば豊肥線には非電化区間もあるので豊肥直通の特急はディーゼル車であるが、そんなどうでもいい事で行数を稼いで申し訳ない。で、昨日遊んだりして疲れた二人は列車の座席に着いてすぐ眠ってしまい、目を覚ますと既に自宅の最寄りの水前寺駅に着いており、慌てて降りていく。
「よかった間に合ったぁ、あーすっかりお馴染みの街並みだ」
そのお馴染みの街にただいまと呟き、二人は家へと帰っていった。
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