私は異世界転生したので美術館を作ります
嵯峨もみじ
プロローグ
「おかえりなさいませお嬢様、お待ちしておりました」
私が狂気的に愛して止まないゲーム『ペトリガールズコレクション』のログインすると真っ先にお出迎えしてれくれたのは私お気に入りメイドゴーレムのリメットちゃん。
地方領主の娘だったリメットちゃんだけど魔物の侵略で領地が陥落、他の子達と一緒に石にされていたのを私が見つけて来て回収、闇魔法の呪文を使ってゴーレムにして動けるようにして上げたの。
他にも魅力的なメイドゴーレムの娘はいるけど長髪の童顔、身長高めで胸も大きかったから私のお気に入り。
「うん、ただいまリメットちゃん。頼んでいた娘確保できたかしら」
「はいしっかりと。ではこちらへどうぞ」
リメットちゃんに案内されている道すがらには様々な彫刻が並べられている。
どの彫刻も精巧に作られているが彫刻家に作らせたものなど一つもない。
全て『ペトリガールズコレクション』の
恐怖に歪んだ表情の石像から私の催眠術をかけてわざとらしいモデルポーズを取らせた黄金像等様々な像が廊下に展示している。
私ながらに良くここまで集めたなぁと思っているとお目当ての部屋へとたどり着いた。
「こちらに保管しております。どうぞ」
リメットちゃんに促されて部屋に入ると一体の彫像が置いてある。
ショートボブで少々小柄な体型の彫像はビキニアーマーを身に着けていて長剣を杖代わりにして厳しい表情をしていた。
「魔王城の宝物庫で眠っておりました『宝物庫の大理石像になった勇者様』です。こちらでよろしかったですか」
「ええ……ええ!完璧よ!リメットちゃん流石だわ!ご褒美あげちゃう」
つい嬉しくなった私はリメットちゃんの頭を撫でてさらには唇を奪っちゃった。
恥ずかしそうにしていたリメットちゃんだけど石になってるから顔色は変わらないし嬉しそうししている。
「さて……私はこの娘を楽しむから中に誰も入れないでね」
「かしこまりました。では存分にお楽しみ下さい」
リメットちゃんが部屋から退出してから暫く待ち物音がなくなるのを確認してから私は
「ひぃやっほっうーーーーー!ふともも!つめたい!すべすべ!」
眼にも止まらぬ速さで太ももに頬を擦り付けペタペタと触る。
白い大理石は冷たくひんやりとしていた上、触り心地は最高としか言えなかった。
「にへへぇ……………気持ちぃ……」
ひとしきり撫で終わりまじまじとビキニアーマーの大理石像を見る。
全身が照明を反射して光沢を持った大理石像、その顔は苦痛の表情を浮かべているも
ののその眼に闘志は感じられず瞳と白目のない眼が虚空を見つめているだけであった。
かつてはその眼の先には魔王がいたんだと思えるけど今は私しか見えていない。
「ふふっもうこんな顔して、心配することは無いわ私が一生を捧げて貴女を見守っててあげるから……」
唇に向かってキスをする。
冷たい感触が帰ってくるが私は気にせずにキスを続けた。
「んっ……ふう。貴女の初めていただいちゃった。ごちそうさま」
唇を話したと同時に突然大きな揺れに襲われ私は大理石像にしがみつく。
「わっ、えっなになに……?!?!?」
すぐに収まることを願ったがそれは叶わなかった。
部屋にヒビが入り始めどんどんと崩壊していく
「ご無事ですかお嬢様!」
部屋の出口にリメットちゃんがいる。
揺れにふらつきながら一歩一歩出口に向かっていたけどすでの時が遅く
「わっ……えっ……あっーーーー!」
「お嬢様ー!」
大きく割れて崩れると私の身体は勇者の大理石像とともに穴に落ちていく。
リメットちゃんがだんだんと小さくなりそこで私は意識を手放した。
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