レトロゲームプレイ日記 ジンギスカン―蒼き狼と白き牝鹿―

武藤勇城

本編

ジンギスカン―蒼き狼と白き牝鹿― モンゴル編(前編)

【ゲーム基本情報】

 ゲーム機器:ファミリーコンピューター

 タイトル:ジンギスカン―蒼き狼と白き牝鹿―

 ゲーム会社:KOEI (光栄、コーエー)

 発売日:1989年4月20日

 ジャンル:歴史シミュレーション

 定価:9.800円

 参考価格:中古品ヤフオク落札価格160円 (FCソフトのみ)~1.980円 (箱説付き) 新品未開封品落札価格4.800円


【ゲームの特徴】

 シナリオは2つあり、「モンゴル編」と「世界編」。

 モンゴル編では、主人公はジンギスカン(チンギス・ハンと同一人物、幼名テムジンで登場)しか選択できない。

 全14の土地をすべて占領すればクリアとなり、そのまま世界編へ移行する。

 世界編では、最大4名まで同時プレイが可能となり、ジンギスカンのほか、イングランドのリチャード1世、ビザンツ帝国のアレクシオス、日本国の源頼朝の中から選択できる。

 マップは全27に増え、これをすべて占領すればクリアになる。


 自分や子供、将軍候補を鍛え、内政軍備を整え、スキを見て他国へ攻め込んでいくわけだが、一番大事なのは商人との取引。

 ぶっちゃけ商取引と自己鍛錬だけでクリアできる。

(自己鍛錬も不要なのだが、ある程度行わないと、行動する度に減っていくので大変な事になる)

 趣味の範疇で「オルド」というものもある。

 他国の姫君を捕らえて、自分の後宮へ送り、そこで子作りをする。それがオルド。

 よほどのんびりプレイしない限り、寿命が尽きる可能性は低いが、寿命が尽きた時は、自分の血縁者が後を継ぐため、オルドで子作りをしておかなければゲームオーバーになる可能性がある。

(初期状態で複数人の血縁がいる)


【プレイ開始】

 まず、なぜこのゲームのプレイ日記を最初に選択したのか?と言うと。

 第一の理由は、個人的にコーエーのゲームが好きだから。

 第二の理由は、アクションやシューティングではプレイ日記にならないから。

 第三の理由は、古いゲームなので、自分が所持しているゲームの多くは内部電池が切れていて、セーブできなかった。その中で、これは電池が切れておらず、セーブ可能だったから。


 それではプレイ開始。

 セーブ中断しつつ、「モンゴル編」のクリア(モンゴル統一)まで進めます。


 まずはシナリオ選択、ここでは「モンゴル編」を。

 19歳の主人公 (テムジン)のほか、カサル、ベルクタイ、カチウン、テムゲという兄弟 (血縁者)が将軍候補にいる。

 初期能力は「自動」で決定。

 自動の場合、「統率」「判断」「企画」「説得」「体力」「武力」の各能力は、50~170ほどの間でランダムに決定される。

 1回目は全体的に低かったのでやり直し、2回目もやり直し、3回目にして、166-60-157-121-169-122と、まずまずの能力値になったので、これでスタート。

 ちなみに血縁の各将軍は、モンゴル編では使わないので、どうでもいい。

 一応、最低値のテムゲの能力は、87-79-62-70-88-52になった。

 ゲームレベルは「1」(よわい)~「5」(つよい)の5段階ある。

 今回は最も強い「5」でプレイ。


 以上でスタート!


 まず最初にすべきは、相場チェック。

 商人の有無を確認。

 中国、イスラム商人がいて、ウイグル商人は不在。

 今月の相場は「51」と低いが気にせず、中国で陶器を1.7で全部 (21)売却。イスラムで香辛料を3.8で全部 (18)売却。

 これで所持金を201にまで増やした。

 毎月の行動は3回まで。

 あと1回は、兵士の「わりあて」。

 初期状態では全軍が5つに分かれていて、本隊、第一、第二部隊まで騎馬20%ずつ、第四部隊が歩兵20%、第七部隊が弓20%だった。

 これを、本隊が騎馬で90%と、第一部隊が歩兵で10%のみ、以上の2部隊編成へと変更した。


 このゲームでは、兵力は集中しないと弱くなる。

 基本は本隊での攻撃とし、逃げる相手を抑える(待ち伏せする)ための歩兵部隊を少量、という編成だ。

 相手を追い詰めるためにどうしても必要な場合、戦闘中に部隊を分散させることが可能なので、初期状態はなるべく纏めておいた方が良い。

 なお、分散している部隊も、同じ兵科であれば戦闘中に合流することができるが、初期状態では兵科が3つ(馬、歩、弓)に分かれているため、最大でも騎馬60% (&歩兵20&弓20)までしか増やせない。

 最初から部隊を複数に分けるとしても、兵科はなるべく統一しておく方が良いだろう。


 1175年 夏 (ターン2)

 今月も商人をチェックすると、先月と同じく、中国とイスラム商人がいて、ウイグルが不在。

 相場は先月より少し下がって「50」。

 相場50というのはゲーム中の最安値で、本来売るのには適さないが、あまり気にせず。

 イスラム商人に生糸を4.9で全部 (29)、中国商人に宝石を4.3で全部 (26)売却。

 454まで増えた金で、傭兵を9.0で40雇った。


 1175年 秋

 商人チェック。中国商人に織物を2.7で全部売却。

 秋の食料の収入と、今回の売却で、戦争用の資金・食料を整えた。

「わりあて」で住民を編成、全住民143の内「食料づくり」に1だけ残し、残り142を兵士に。

 最後の行動力を使って、自国「1」の上にある「5」の国へと攻め込んだ。


 敵兵力は400、こちらは1420。

 僅かな損害で敵国を撃破、5国を手に入れた。


 そのまま5国のターン。

 攻め込んだ兵士の生き残りが139、その他の住民が18+4+28+4で、兵士と合わせて全人口が193に増加した。

 恒例の商人チェック、ウイグル商人に宝石3.3で全部 (28)を売却。

 1国から5国へ、残っていた金62を全移動。

 最後に、「わりあて」で5国の兵士も本隊騎馬90%、もう一部隊を歩兵10%に変更して終了。


 1175年 冬

 商人チェック。

 イスラム商人に黄金を2.9で全部 (13)売却。

 この土地には豊富な食糧の在庫があったので、これで戦の準備は完了。

「わりあて」で、食料づくりに1、残り全住民192を兵士に変えて、8国へ攻め込んだ。


 兵力は相手が550、こちらは1920。

 今回もわずかな損害で占領に成功。


 そのまま8国のターン。

 兵士の残りは194 (敵兵を捕らえて微増)、その他の住民が26+6+39+6で、全人口は271に増加した。

 イスラム商人に宝石3.7で全部 (40)売却。

 自分の能力を見ると、判断力が20にまで低下していたため、残り2回の行動で判断力を鍛えて終了。


 兵士のいない第1国は攻め落とされた。


 1176年 春 (5ターン目)

 相場が少し上がって70ほどになった。

 各国で人口も少し増加。

 直轄地の5国で、商人に織物を売却。(直轄地の行動は1回のみ)


 その後、本国 (8国)のコマンドで5国の金を本国へ輸送。

 戦争資金、食料共に十分だが、まだ住民と兵士の編成が済んでいないので、このターンの戦争は諦める。

 いつものように兵士の配分を変更し、残る1回の行動で判断力を鍛えて終了。


 1176年 夏

「わりあて」で住民を食料づくり1、兵士278に変更。

 自分の武力を訓練した後、6国へ攻め込んだ。


 兵力は相手が840、こちらは2780。

 今回もわずかな被害で勝利。


 そのまま6国のターン。

 兵士の残り275、他住民が41+10+61+10で、合計397になった。

 まずは兵士をいつも通り、9:1の2部隊に変更。

 今月は商人がいないので、残る行動で自己鍛錬に励んだ。


 1176年 秋

 属国は適当に。

 秋の収入を、5国から8国へ、8国から本国へピストン輸送。


 1176年 冬

 住民をいつものように再編成し、兵士数を396に。

 6国に金、食料が少し残っているので、これを守るための若干の守備兵 (46)を残しつつ、9国へ攻め込んだ。


 敵兵力760、こちらは3500。

 最後は一騎打ちで敵将を捕らえ、完全勝利。


 8国は敵に攻め落とされた。

(金・米・兵士が残っているのは6国で、そちらはまだキープ)


 9国のターン。

 兵士は387、その他住民が33+13+55+9で、住民合計が497になった。

 6国の方にも少しの兵士がいるので、そちらから移動してくれば、住民の合計が550ほどになる。


 ここでモンゴル編の全体MAPを確認しておこう。


        5

        /|

   10   8─初期国 (1)

  /|   /| × |

 13─11──9─6─2

  |\|/  \| |

 14─12    7─3

        \|

        4


 初期国「1」→「5」→「8」→「6」→「9」

 スタートから2年間で、このように移動しながら、住民を増やしていった。

 この9国が、MAPの左右を分断する重要な拠点になる。

 ここまでは、モンゴルの遊牧民らしく、戦争で相手国の財産を分捕りながらやりくりしてきたが、この9国で少しだけ腰を落ち着ける。

 9国を抑えつつ、MAPの右か左半分を占領するのがベスト。

 住民の半数はここに残す事になるので、9国を占領するまでに、全住民を最低でも300、出来れば400以上にまで増大しておきたい。


 今回は500を超えているので、既に戦力的には充分である。

 MAP右と左、どちらを先に占領するかだが、右半分は、スタート以降荒らしまくってきたため、人口や物資が少なくて、おいしくない。

 しばらく放置しておいて、COMが国を育てている間に左側へ攻め込むべきだろう。

 左半面の方が国数が少なく、統一しやすいのもポイント。

 これだけ人口がいれば、9国を守りつつMAP左半面を占領するまでに、それほどの時間はかからないだろう。


 理想の侵攻ルートとしては、「9」→「12」→「14」→「13」→「10」→「11」(10と11は逆でも可)の順番だ。

 三国志で、諸葛亮孔明が荊州を攻める際に、「流れる水の如く」と言ったように、一筆書きの要領で侵攻できれば無駄がなく理想的。

 また、このゲームではターン順というのがあって、どの国がどういう順番で行動するかはランダムで決定されるので、仮に行動順が侵攻ルートと完全に一致した場合は、1ターンで全てを占領することも可能という事になる。

 もっとも、編成する時間や、戦争するための金・兵糧が足りないという事も多いだろうから、実際には何ターンかに分けて攻める事になる。

 ポイントポイントでセーブして、例えば「13」から「10」→「11」に攻め込むのを1ターンで済ませるなど、ターン順を考慮しつつ工夫すると効率的で、場合によっては守備兵を残さずとも攻め込まれる危険はなくなるだろう。


 一点、人口が増えてきた時に気を付けなければいけないのが、春に住民数に応じた金の分配が必要なことだ。

 所持金が足りずに、春になったら住民が減っている、という事があるので、冬の間に十分確保しておこう。

 金、食糧ともに、国の安定運営のためには、兵士数と同数を常に確保しておくと良い。


 秋の食料収入に関わる「食料づくり」の目安としては、兵士数の1/4以上、出来れば1/3程度。

 兵士数が100であれば、食料づくりに最低でも25、出来れば35ぐらい割り当てるのが望ましい。

「街づくり」「城づくり」は、ぶっちゃけあまり必要ないが、少なすぎると町と城がどんどん劣化していく。

 街は金収入、城は守備時の硬さに影響する。

 うまくプレイすれば防衛戦は無いので、城づくりは本格的にどうでもいい。

 街づくりに10から20、城づくりに1から5程度配置しておけばよい。

 街づくりの人数が多ければ、それだけ町は発展するし春の金収入は増えるが、逆に発展しすぎると、隣国から即座に工作が飛んできて破壊されてしまう。

 ある程度のところでキープできればそれで十分。

 それに、金は特産品の取引で賄えるので、あまり心配はいらない。

 大事なのは「特産品づくり」で、国によっては高額で売却できるものがあるため、ここに住民を多く配置すれば収入が一気に安定する。

 例えば、モンゴル編でいうと(既に放棄した)8国で「黄金」が生産できるし、世界編の日本で生産可能な「生糸」も高値で取引される。

 逆に「羊毛」など特産品が安い国では、食料を多めに作って売った方が高く売れる場合もある。

 因みに9国はその羊毛なので、特産品づくりもあまり必要ない。

 9国の住民割り当ての理想としては、兵士を半数程度とし、町と城と特産に若干名、残りは食料 (半数近く)といった感じだ。

 現状では兵士が387に対して食料が55なのでバランスが悪いが、近々、守備に100程度の兵士を残してMAP西側の統一に出征する予定なので、現状で変更の必要性はない。


 1177年 春 (9ターン目)

 相場は150に変化した。

 相場が高いので、特産品を売って資金に変えやすくなった。


 直轄地は適当に。


 9国 (本国)で相場チェック。

 3商人ともいるが、中国商人に羊毛2.2で全部 (107)、イスラム商人に黄金4.9で全部 (40)売却。

 この時点で金・米ともに300以上あるので、戦争準備は問題ない。


 ここで自分自身の能力を確認しておく。

 年齢 22

 統率 89

 判断 80

 企画 102

 説得 151

 体力 249

 武力 155

 戦争を実行すると勝手に体力が付くが、他の能力、特に上2つは鍛えてもどんどん減っていく…。


 ここからは、いよいよ統一のための戦争を始める。

 予定通り、12国へ出兵。

 守備兵と住民を残しつつ。

 ※まだ6国にも兵士と米が残っている。


 敵兵力は960、こちらは3500。

 今回も大勝利。


 そのまま12国のターン。

 兵士数は342、他住民が43+18+69+13となっている。

 まずは6国から9国へ、食料と兵士を全て輸送する。

 最後の行動で、中国商人に黄金4.0で全部 (72)を売却した。


 1177年 夏

 まずは、いつも通りに兵士の編成。

 続いて9国へ、その辺で捕まえた適当な将軍 (能力平均値146)を派遣した。

 命令書を送れば、内政や統治に関する命令を出すことができる。

 送らないと勝手に戦争してしまう可能性があるので、ここで命令書も送る。

 戦争をしないという命令以外は、適当に。

 委任状隊の都市は、町づくりも少し多めにしておいた方が無難。


 まだ自国領だった5国、6国ともに攻め込まれ、自国領地は9国 (委任領)、12国 (本国)のみとなった。


 1177年 秋

 イスラム商人に、木材を3.0で全部 (115)売却。

 統率力を鍛えた後、14国へと攻め込む。

 もちろん、12国にも守備兵が必要なので、60ほど残した。


 敵兵力は820、こちらは2800。

 完全勝利。


 そのまま14国のターン。

 兵士数は288、その他の住民は38+9+57+9となった。

 まずは兵士の配分の変更。

 商人がいないので、訓練と、12国へ今しがた捕らえた将軍候補を派遣した。


 1177年 冬

 まずはイスラム商人に、宝石を6.0で全部売却した。

 これで金、米ともに十分確保できたので、自己鍛錬を行った後、13国へ出兵。

 14国は安全地帯となるため、全兵士を出撃させ、それ以外の住民はそのまま残した。


 守備兵700、こちらは2880。

 最後は一騎打ちで敵大将を捕らえた。


 そのまま13国のターン。

 兵士数は339、それ以外の住民は34+8+51+8となった。

 まずは兵士の割り当ての変更。

 次にイスラム商人に宝石を6.0で全部 (33)売却。

 すぐさま10国へ攻め込んだ。


 敵兵力680、こちらは3300。

 最後は一騎打ちにて勝利。


 10国のターン。

 兵士数はここもたまたま339で前の土地と同数、その他の住民が26+10+43+7となった。

 宝石を6.0ですべて(65)売却。

 この10国は特産品が宝石なので、先に書いたように特産品づくりを行わせれば、かなりの利益が出る。

 もしモンゴル編をじっくりプレイするつもりなら、覚えておくと良い。

 最後の行動で自己鍛錬を行い、終了する。


 1178年 春 (12ターン、4年目)

 相場は一気に下がって58になった。

 まずはウイグル商人に香辛料を5.4で全部 (62)売却。

 これで戦争準備は万端なので、自己鍛錬の後、西側最後の11国へ攻め込んだ。


 守備兵570、こちらは3420。 ←春の人口増加で微増していた。

 そして完全勝利。

 これで9国と、9国の西側5国、計6国を平定完了した。

 残るは東側の8か国だ。


(後編へ続く)

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