Xソウル~勇者で魔王~
古朗伍
プロローグ
「これが狼煙じゃ」
世界は『人大陸』と『魔大陸』に分けられていた。
それぞれの大陸は数多の危険域によって隔てられており、簡単には行き来できない環境かにある。
しかし、ある時、『魔大陸』沿いにある三つの国が滅んだ。
『人大陸』に突如としてやって来たのは『魔大陸』でも【破壊大帝】と称される魔王インガード。
彼女は単身で国の王都へ乗り込むと破壊の限りを尽くすという異常な力を人々に見せつける。
その後に『魔大陸』から押し寄せた魔族達によって、三つの国は領土を蹂躙され崩壊。
『人大陸』に激震が走った。
「ヒマつぶしじゃ。せいぜい、妾を楽しませて見せよ」
状況を伝える為にあえて生かされた伝令にインガードは笑いながらそう答えた。
この事態を重く見た『人大陸』は連合軍を結成。東西南北に存在する英雄達を召集し、魔王インガードの討伐に赴く。
「ふぁ~」
しかし、誰もがインガードには勝てなかった。そもそも、戦いにすらならなかった。
つまらなそうな欠伸と同様の所作で、歴戦の英雄達は屠られていく。
『人大陸』の支配は秒読みを開始し、魔王の支配下で生き延びるしか選択はないと思われた。
「騒がしいヤツだな」
しかし『人大陸』には最後の選択が残っていた。
ギリギリで見つけ出した魔王に匹敵する力を持つ者。彼は二つ返事で魔王と対峙する事を了承する。
「なんじゃ、ガキ。失せろ」
魔王は目の前に立つ青年を見て路傍で蹴った小石に向けるような眼で見る。
「びびってんのか? チビ」
青年――勇者は見た目が少女姿の魔王を見て不敵に笑い返す。
“チビ”はインガードにとって禁句中の禁句。彼女の堪忍袋を破壊するには十分な挑発だった。
「面白い事を言うガキじゃのう。殺す」
そして、『人大陸』の命運を分けた戦いは意外な結末を迎える事になった。
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