13頁~~轟く声~~
青く晴れ渡る青空の下、僕は腰を
雑草を抜く為に同じ態勢をとっている事に疲れた僕は少し休憩しようと立ち上がる。その時、庭に面する道からこちらを見ている男性がふと視界に入った。気になってそちらを振り向いてみるとその男性は僕の視線に気が付いたのか無言で
見知らぬ人物という訳ではなく、その男性が実家のすぐ
そういう事情を僕は知っていた為、男性は偶然に通りかかっただけなのだろうと特に不審には思わず、再び腰を
も゛う……
突然、地を
も゛う……も゛う……
その声に驚いて肩が
流石に不審に思っていると、また後ろから地鳴りのような声が響く。
も゛う……も゛し……
背中に氷水でも掛けられたかのようにゾッとした悪寒が走る。
じわりと冷や汗が滲みだし、頬を流れ落ちる感覚が肌を伝わってくる。その間にも
その時、僕はある事を思い出した。先ほどの男性について妻から聞いた話だが、普段は
僕はあの男性が妻に気があるのではという
……だとしたらこの声は一体なんだ?
声の正体が分からず
も゛……う゛……
僕は庭先の道を
も゛……う゛……
体を反転させて庭中を舐めまわすように視線を巡らせる。
も゛……う゛……
ハッとして先ほどまで僕が座っていた家庭菜園へと目を向ける。声はそこから聞こえてくる……そう思った僕は恐る恐るそちらに近づいていく。すると、思った通りにその声は徐々に声量を増していった。
体に覆い被さってくるような重量感のある声はあの菜園の一部を埋め尽くしているキャベツ畑から聞こえてくる。
何かがそこに居る。それがなんなのか、どうしてそこに居るのかは検討が付かない。
も゛ーーーーーう゛……も゛ーーーーーう゛
そこでは一際大きなウシガエルが喉を大きく膨らましながら僕を見つめていた。
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