ブス眼鏡と呼ばれても王太子に恋してる~私が本物の聖女なのに魔王の仕返しが怖いので、目立たないようにしているつもりです
第6話 魔王を退治しましたが、その後祖母に脅されて魔王に見つからないようにメガネを掛けることにしました
第6話 魔王を退治しましたが、その後祖母に脅されて魔王に見つからないようにメガネを掛けることにしました
その時、道の先で悲鳴がした。
怖いもの知らずの私はスーパー魔法聖女エレ様になったつもりになった。そう悪い奴をやっつけにいかなければならないと思ってしまったのだ。
駆け出した私の目の前で悪いやつが周りの善良な人達を攻撃していた。
そして、悪いやつは私を見ると攻撃した来た。
「ヒール」
私は叫んだ。当然その攻撃は弾けた。
今思うになんでヒールで弾けたのかよく判らなかったが・・・・・
そして、ヒールで悪い奴を攻撃???
ヒールって攻撃魔術だったっけ? で、攻撃していた。
まあ悪いやつが吹っ飛んだのでそうなんだろう。
もう一度やると悪いやつは建物の中に吹っ飛んでいった。
よし、さすがスーパー魔法聖女エレ様は違う。
私は絵本のように今度は周りの人を助けようとヒールをかけだした。
「俺よりも先にあの男にトドメを刺さないと」
貴族の子供がお礼を言う前に私に叫んできた。
えっ、トドメって何。あんたがやりなさいよ。
私が思ったとしてもバチは当たるまい。魔法聖女の本にとどめを刺すなんてそんなのはなかった。
しかし、次の瞬間私は凄まじい闇魔術に襲われたのだ。
何故、少年がトドメを刺せって言っていたのかよく判った。
悪いやつは根本から倒さないと逆襲してくるのだ。
でも、私は服はぼろぼろになって体も傷だらけになったが、それだけだった。
ふっふっふっ、私に楯突くとは良い根性ね。この魔法聖女エレ様に。
私は心の中で叫ぶと・・・・流石に声に出して言うのは7歳の女の子でも恥ずかしかったのだ。
「ヒール!」
手を上げて聖魔術を発動した。
悪いやつはまた店の中に吹っ飛んでいった。
さて、どうやってとどめを刺せば良いんだろう?
私が考えた時だ。
「貴様覚えてろよ。この魔王様が必ず仕返ししてやるからな」
悪いやつは店から顔を出すとそう叫んだ。
なるほど。あれが悪の権化魔王か。
確か魔王対策はこれだ。
私は手を空に指差した。
そして、目をつむると精神集中する。
「エリアヒール!」
次の瞬間、私は手をその自称魔王に向けて振り下ろしたのだ。
凄まじい黄金色の光が魔王を直撃した。
そして、そのまま魔王を宇宙の彼方へ葬り去ったのだ。
ワッハッハッハ、見たか魔王め。この魔法少女エレ様の敵ではないわ。
私
は両手を腰に当てて、そう、心のなかで叫ぶと、コソコソと現場から逃げ出した。
そう、魔法聖女の素顔は皆に知られてはいけないのだ。
でも、馬鹿な私は今日あったことを全て祖母に話してしまったのだ。
祖母は唖然としてしまった。
「あんたどうするの?あんたが聖女だってバレたら、二度と娑婆にはでられないんだよ。教会に閉じ込められてエロ神父達の慰み者になって、ずうっと檻の中で過ごさなければならないんだから」
と衝撃的な事を言われたのだ。
何でも祖母の祖母の妹が聖女だったみたいで、死ぬまで教会でこき使われたらしい。
帰された遺体は魔物に食われてボロボロになっていたと。
「それに、あんたが倒したのが本当に魔王だったら、絶対に仕返しに来るよ。どうするんだい。拷問にかけられて殺されるんだよ」
祖母は魔王がかけた拷問の恐ろしさを迫真の演技で教えてくれたのだ。
私は幼心にビビってしまったのだ。本当に。
その日の夜は何度もうなされた。見る夢はすべて魔王に襲われている夢だった。
祖母は翌日、顔の形を変える認識阻害眼鏡をくれた。聖女の大叔母がくれた物だそうだ。
そして、それから色々勉強を教えてくれた。魔王に狙われるようになったからには癒やしの魔術で生きていくと魔王に見つかりやすくなるか厳しいだろうと。それ以外の道に進みやすくするためにいろんな事を教えてくれたのだ。幸いなことに祖母の家には本はたくさんあった。祖母の母が学校の教員をやっていた関係で、勉強の本も一杯あった。だから王立学園の試験にも受かったんだと思う。
そんな祖母も昨年亡くなった。
「聖女にだけはなるんじゃないよ」
それが遺言だった。
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