第4話

 ———————




 ——————




「……酷いわねぇ〜」


「木造だから、火のまわりが早かったみたいよ」


「煙草の不始末が原因らしいわね……。でも、犠牲者がいなくて良かったわよね」


「それがね……。一人いたらしいのよ、二十代の男性が」


「可哀想に……。まだ、若いじゃないの」


「……なんでもね。自分で飛び込んで行ったらしいのよ」


「え……? 自分で? ……命より大切なものでも、あったのかしら……」


「変な話しだけどね。その亡くなった男性、ウェディングドレスを抱きしめたまま亡くなってたらしいのよ……」


「ウェディングドレス……? 何でそんなもの……」


「さぁ……」


「……まぁ、他に燃え広がらないで良かったわよね」


「そうねぇ……。うちの旦那にも、煙草は気をつけてもらわなきゃ。うちの旦那ったら——」


「———」


「————」








 —完—

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る