『完璧な美少女』をぶっ壊してやった
@1ya12ma2to
第1話
「今回も一位か…。今年のテストは全部一位で終わるかもなー」
誰かと話すわけでもなく、独り言のように言葉を溢す。
俺の視線の先にはこの前行った、中間のテストの順位表が張り出されてあった。
俺が通っている学校はテストを全てのクラスで返却し終えると、テストの順位表が張り出される。
といっても、全ての順位が張り出される訳ではなく、各学年上位10名だけが張り出されることになっている。
だが、この学校に入学してからもうすぐ一年が経とうとしているが、1度も、張り出された順位表の中に俺の名前が入ったことはない。
無論、いい点数を取り、いい順位を取ることに越したことはない。だが、ある程度の点数を取り、自分の目指している進路に必要な分の勉強をすればいいと俺は思っている。
というか、この学校には頭の良い生徒が多く、常にテストの度に順位が入れ替わっている。この前のテストで、上位に入っていても、次のテストでは入っていないということも多々ある。
しかし、そんな競争率の高いテストという戦いのなかで、常に首位の座に座り続けている生徒がいる。
宮内 桜。学業のみならず、運動神経も抜群で、どのスポーツをやらせても、学内に負ける人はいないほど、恵まれた運動神経持ち合わせている。
だが、彼女を見て一番注目されるのは、その見た目である。
腰辺りまで伸ばした綺麗な黒髪からは、神々しさまで感じるほど手入れが行き届いている。
また、あどけなさを感じる少し幼い風貌に、意思を持った綺麗な琥珀色の目、血気の良い柔らかそうな唇を持つ容姿に惹かれぬ男はいない。
その証拠に、学年では告白していない生徒の方が少ないほど、彼女に告白したり、アプローチしている生徒は多いが、全て断っているらしい。
そんな何もかもを持っている少女は、他の生徒から『完璧な美少女』と呼ばれている。
「完璧、か」
完璧なんてものはこの世に存在しない。下らない見せかけのものでしかないと、過去の自分に釘を刺したはずだが、そう簡単に収まってはくれない。
「うわ!宮内さん今回も1位取ってる!」
「今のところ全部のテスト1位じゃなかった?!」
「やっぱ『完璧な美少女』の名も伊達じゃねぇな!」
盛り上がっている生徒たちを横目に、また、自分の過去から目を逸らすように、教室に戻ることにした。
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お久しぶりの方はお久しぶりです!初めましての方は初めまして!
久しぶりに書きたくなり、いつも以上に慎重になりながら、書きました。
中々完結させることが出来ない自分ですが、今回は数話程度のお話で、1話1話短いので、何とか完結させたいと思っています!
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