第18話 歓迎会
こうして仲間を増やした俺達は今、ある料理屋に来ていた。理由はもちろんフェイの歓迎会である。
「それじゃ、新たなパーティーの一員が増えたことを
「「乾杯!」」
俺達は各自飲み物を手に持ち乾杯をする。フェイはお酒が好きらしく、大きなジョッキに波々とお酒を注いでいた。
「そういえば自己紹介が遅れてたわね。あたしはフェイ・ソラリス、基本的に剣をよく使うわ。魔法も使えるけどね」
「マグリスだ。ハンマー使いで、魔法はそこまで使えないな」
「ビルデです、むしろ魔法しかできません。もっともそれも威力調節がまだできないですが……」
ビルデはしょげた顔で自己紹介する。この前フェイから聞いた話によると、脱走の際に敵のアジトに大穴を開けてしまったらしい。
「なんかバランス取れてていいわね。ビルデもこれから練習すれば問題ないわ」
フェイはビルデの頭を撫でる。ビルデは顔をほころばせ、自分から頭を寄せていっていた。
「ところでフェイって過去に誰かと組んだことあるのか?」
「ええ、何回かね。ここノルマとかあるの?」
「いや、今のとこないな。各自の生活費だけ俺が管理して後は山分けだ」
そもそも二人だったということもあり、その辺はかなり適当だ。いちいち誰が活躍したしてない云々を決めるのも面倒なのでこうしている。
「なるほどね。分かったわ、それなら文句はない」
「ありがとう。それじゃ明日の予定だが、俺は図書館に行こうと思う」
俺は話を切り出す。今ここで話しておかないと困るからだ。
「図書館ですか、それまたなんでそんな場所に?」
「……前に言ったろ、お前が生まれた方法を調べるって。お前も来るか?」
「は、はい!」
俺がビルデを誘うと、彼女は激しく頷き俺の手を握った。
「んー、あたしも一緒に行くわ。多分本読むだけであんた達の協力できる自信ないけど」
「それで別に構わない。元々俺の勝手なわがままだ」
俺はそう言ってパスタに食らいつく。フェイには関係のない話だ、迷惑なのは違いない。
「あと、一応あたしの知ってる情報も話しとくよ。例えば、一般的な生物とモンスターでは発生方法が違うのは知ってる?」
「あー、なんか聞いたことあるけど詳しくは知らないな」
「生物の殆どは
フェイは得意気に説明する。考えてみれば彼女は五百年生きているのだ、その辺は詳しいのだろう。
「それなら私はモンスターの一種ということになるのでしょうか?」
「いや、悪魔とモンスターは違うよ。近い性質を持ってるのは事実だけどね。奴らは生殖器官を持たないけど、悪魔は持つ。奴らは魔力から生まれるけど、悪魔は多分関係ない」
俺は内心ここでこんな話して怒られないのかとヒヤヒヤしながら話を聞く。一方ビルデは全く気にせず真剣に話を聞く。
「悪魔の方でもう少し詳しく説明できませんか?」
「無理だね。あたしに分かるのはここまで。具体的に調べたわけじゃなくて、ただの経験談みたいなもんだから」
フェイはそう言って肩をすくめる。ビルデは少し残念そうな表情を浮かべ、落ち込んでいた。
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