最終話 兄貴、職質
「ただいまぁー」
「おかえり、」
玄関の扉が開く音がして玄関まで行くと、泣いている兄貴がそこに立っていた。
「聞いてくれよぉ〜!
職質された」
「いや当たり前だろ!逆によく通報されなかったな!?」
「五回されタァ」
「五回!?」
…ほんと、アホだ。
この兄貴は…
でも、
「わかったから、話聞いてやるから早く風呂入ってこい」
「えへへ、ありがとな、ところで晩御飯はなんだ?」
「豚丼…って切り替え早いな!?」
「そりゃ、にいちゃんだもん…」
こんな具合にうちの兄貴は、未だにスカートしか履かないが、今の所そこまで問題はなさそうだ。
今日も今日とて愉快な兄貴はスカートを履く。
兄貴が事故にあって三年、いまだに兄貴はスカートしか履かない。 御影 @ougasun
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