義姉に愛され堕とされる
朝霧 紅魔
義姉に愛され堕とされる
「おーい、もうすぐ来るぞー」
「んぁ?来るって何が?」
父さんに叩き起こされた、俺こと風見遊星(かざみゆうせい)はまだ眠い瞼を擦りながらリビングへ行く。
「決まってるだろ、父さんの再婚相手だよ」
「あぁ...」
そうだった、今日は父さんの再婚相手の人が来る日だった。
俺が幼い頃に母さんは亡くなってしまい、父さんが男手一つで育ててくれ、現在はもう高校生になる。
なので、今回の再婚はずっと頑張ってくれた父さんのあまりにも嬉しそうな反応に、俺まで素直に嬉しいと思ってしまった。
しばらくすると、
ピンポーン
と、家のインターホンが押される。
「き、来たぞ!!!」
父さんは興奮したように勢いよく玄関に向かう。
ガチャ
ドアを開くとそこには年齢は父さんと同じくらいと聞いていたが、流石にそうには見えない若々しい女性が立っていた。
「どーだ!遊星!綺麗だろ!」
父さんはその人の肩を抱きながら、俺に自慢するように言ってくる。
「こんにちは遊星くん、私は愛紗(あいさ)よ、よろしくね」
「は、はい、よろしくお願いします...」
俺の顔に近づいた愛紗さんのそのあまりにも鼻をくすぐるいい匂いに、俺は少しドキドキしてしまう。
「あれ?愛紗さん、子供さんは?」
「あら?愛梨沙!出てきなさい」
愛紗さんは玄関の方へそう呼びかける。
(こ、子供?)
「あ、あぅ...」
すると、玄関の方から恐る恐るといった様子で1人の少女が顔を見せる。
その子は愛紗さんと似ていて、とても綺麗だった。
結ばれていない腰より少し上まである青い髪に、青く美しい瞳そしてぷっくりとした唇。
肌はシミひとつなく、服で隠れていない部分だけを見てもとても魅力的だ。
それにその存在を主張するように服越しからでもわかる大きな2つの膨らみ。女性の象徴ともいえるそれは彼女が動くたびに軽く揺れ、世の男子の妄想を掻き立てるだろう。
つまり何が言いたいかと言うと、彼女は誰が見ても美少女といえる女性だったのだ。
その子は軽く俺の家の中を見渡すと、俺と目が合う。
「...」
「...」
しばらく俺と彼女は見つめ合う。
しかし、彼女のそのあまりに綺麗な青い瞳に俺は吸い込まれそうだった。
「この子は愛梨沙ちゃんで愛紗さんの子供さんだよ、多分遊星のお姉さんになるかな?」
「そうね、遊星くんより年は上ね、この子、ちょっと人見知りなところがあるから遊星くん、仲良くしてあげてね!」
「は、はい...わかりました」
俺がこの美少女と仲良くする?
無理だ、この子とは住む世界が違う。
まあ今日からひとつ屋根の下で生活を共にするのだから住む家まで一緒になるのだが...
「まあ僕らは少し買い物をしてくるから2人で親睦を深めておいてね、じゃあ」
父さんたちはそのまま外へ出て行ってしまう。
「...」
「...」
突然、父さんたちがいないと、話すネタなどもないため彼女と俺の間に会話は起きない。
「と、とりあえず座りなよ」
「はっ!はい!ありがとうございます!」
流石に立ったままだと辛いだろうから、近くの椅子を引いてそこへ座るよう促す。
愛梨沙さんはそこにちょこんと座ると、俺の顔を見る。
「...」
そのまま彼女は、無言で俺の顔をじーっと見つめてくる。
「...っ!」
あまりにも俺の顔を凝視してくるので、少しドキドキしてしまう。
「な、何か...?」
「いやっ⁉︎いえっ!!なっなんでもないです!」
彼女は突然焦ったような声を上げ、反対側を向いてしまう。
「...」
すると、自然と気まずくなり、しばらく沈黙が流れる。
「...」
しかし、そんな沈黙を破るように彼女が喋りかけてくれる。
「あ、あのっ...遊星くん...でいいですか?」
「あ、うん、全然いいけど」
「遊星くん、その...私のことはご存じで?」
彼女は少し期待したような、しかし緊張もしているような視線を俺に向けてくる。
ご存じ?今あったばかりなのだからご存じも何もない。知っているのは名前と美少女ということだけだ。
「さ、さぁ?」
「そ、そうですか...」
すると、愛梨沙はガッカリしたように肩を落とす。
「あ、あの、これを」
「ん?」
そう言って愛梨沙は自分のスマホを俺に見せる。
そこには目に掛かるくらいの長く青い前髪に黒縁の地味なメガネをかけているなんとも地味な見た目の女の子が写っていた。
って、この子...どこかで...
「あの...これ私です」
「うぇぇっ⁉︎これが⁉︎」
流石に今目の前にいる美少女とこの地味な子が一緒と言われても信じることはできない。
「一応同じクラスなんですけど...」
「え?」
彼女の発言を聞き、俺は記憶を遡る。
同じクラス?お姉さんじゃなかったのか?
もしかして、そんなに年は離れてないのか?
「ああ!」
思い出した。この子はいつも1人、教室の端で本などを読んでいる、いわゆる陰キャという部類の女子だった。
たしか、名前も一緒だ。
俺もそう多くは無いが、何回か話したことはある。とは言っても先生からの伝言を伝えたくらいなのだが。
「君が...あの?」
「はい!..そ、それで...少しお話が...」
彼女は突然もじもじしながら俺の方をチラッと見て言う。
「わ、私とお付き合いして頂けないでしょうか!!!...〜っ」
彼女は耳まで赤くしながらそんなことを言い出す。
「...はい?」
「だ、だめですか?」
「えっと...」
俺はいきなりのことで事態が飲み込めない。
これはもしや...
「あの...罰ゲームとかにはあんまり乗らない方がいいよ」
きっと彼女はクラスの陽キャ女子に絡まれ、無理やり誰かに告白させられているのだろう。
「あのっ、ちが...くて..ホントに好きで...あぅ...」
彼女は言い終わるまでに俯いてしまう。
「俺がその人たちに話してみるよ、だからこんなことはもうやめていいよ」
俺の学校での立ち位置は中の上くらいだろう。
陽キャ女子と話していても、少し違和感があるだけだ。
「ち、違います!ホントに好きなんです!!!」
「またまた、好きになる理由なんてないだろ?」
「あ、あります!十分すぎるくらいあります!!」
彼女は自信満々にそんなことを言う。
「例えば、教室での遊星くんは友達思いで友達のことをいつも考えてあげていたり...」
など、俺の良いところ...と思われる事を何個もあげていく。
「それに...私にも優しくしてくれます...」
愛梨沙はそう言って思い出すように言いながら俺をうっとりと見つめてくる。
「私にあんなに優しく話しかけてくれる人はいません...他の人は私のことを汚いだとか言って、先生からの伝言も伝えてもらえずいつも1人だったのに...それを遊星くんは...はぁ〜...」
彼女はその事を思い出したのか、体が火照って両頬に手を添える。
...それはただ周りがやり過ぎなだけではなかろうか。
俺としては流石に先生からの伝言などを伝えるのは当然のことだ。
「じゃ、じゃあ本気なのか?」
「はい、私は至って真面目です、今日遊星くんと家族になれると聞いて頑張って自分を磨きました!」
うん、磨きすぎだ。
いつもの根暗なオーラからは想像もつかないほどに明るく可愛い。
「そうか...」
俺は愛梨沙を一瞥する。
目が合うと、愛梨沙は頬を赤く染め気まずそうに目を逸らす。
どうやら本当に俺のことが好きなのかもしれない。
「...わかった、付き合おう」
いくら、今日から義理の姉になるとは言え、こんなに可愛い子が自分を好きと言っているのならば付き合う以外の選択肢は無い。
俺は可愛い子が求愛してきているのに、それを断るようなラノベの主人公などではなく、普通の高校男子なのだ。
「っ⁉︎い、いいんですか⁉︎」
「まあ...俺を思って自分磨きしてくれた訳だし...可愛いし」
「っ〜!う、嬉しいです!遊星くんっ!」
俺の彼女となった愛梨沙は安心したように、にへらと笑顔を俺に向ける。
「よろしくな...えっと、愛梨沙?」
「はい!愛梨沙でお願いします!私は...ゆ、ゆうくんって呼んでいいですか?」
「あ、ああ、いいけど後、敬語じゃなくていいよ?愛梨沙の方が年上だろ?」
「じゃ、じゃあ、よろしくね!ゆうくん!」
その天使のような笑顔を見て、俺はドキドキしてしまう。
「ただいまー2人とも!」
「2人ともただいま!」
しばらくすると、父さんたちが帰ってくる。
「あら?随分仲良くなったのね」
愛紗さんはソファーに隣同士で座る俺たちを見て、微笑ましそうに言う。
「あ!お帰り!ママ!パパ!」
「あ〜、帰ると可愛い娘が迎えてくれるなんて...幸せだ〜」
父さんはとても嬉しそうにしている。
「すぐご飯にするから、ちょっと待っててね」
愛紗さんはそう言うと、キッチンへ向かっていく。
「愛紗さん、僕も手伝うよ」
「あら、助かるわ」
父さんもキッチンへ行き、リビングでは俺と愛梨沙の2人になる。
「愛梨沙...父さんたちには俺たちのこと言う?」
「えー、まだナイショがいいな」
「わかった。ならそうしようか」
「あ、でもそれだと一緒にお風呂入れないかなぁ〜」
「え?お風呂?」
「うん!折角だし一緒に入りたい、だめ...?」
愛梨沙は可愛く上目を使ってお願いしてくる。
「い、いいけど...」
流石にそんな魅力的なお願いを断れるはずも無く、素直に了承してしまう。
「やった〜!私が体洗ってあげるね?」
「う、うん、よろしく」
「ご馳走様!ゆうくんお風呂行こう?」
ご飯を食べ終わると、愛梨沙は俺の手を引っ張りお風呂へ行こうとする。
「え?一緒に入るのかい?」
父さんは驚いたのような声を上げる。
「あらあら、いいんじゃない?2人ともかなり仲良くなったみたいだし、ね?」
愛紗さんは何かを察したように言う。
「ま、まあ確かに?」
父さんは愛紗さんの言うことに納得したのか、それ以上なにも言わない。
「じゃあ行ってきまーす!」
「ふんふふーん!ゆうくんとお風呂〜楽しみだなぁ〜!」
愛梨沙はご機嫌のようで鼻歌を歌っている。
俺たちは今、脱衣所で服を脱いでいる。
愛梨沙が服を脱ぐと服と肌が擦れた音が生々しく聞こえ、変な気分になってしまう。
「じゃ、じゃあ先に入るよ」
流石に自分が抑えられるか心配のため、俺は先に入ろうとする。
「あ〜ん、まって〜!ゆうくん!」
「っ⁉︎あ、愛梨沙⁉︎」
なんと、愛梨沙は俺を逃がさないとでも言うかのように、俺を抱きしめてくる。
すると、その柔らかく弾力のある2つの山が俺の背中に当たる。
しかも、服を着ていないため愛梨沙のおそらく下着と思われる感覚が直に当たってしまう。
「あ、愛梨沙⁉︎当たって...」
「当ててるんだよ?」
「っ〜⁉︎」
「ゆうくん大好き...ゆうくんとなら子供作ってもいいよ?」
「ふえっ⁉︎」
愛梨沙は俺の耳元で囁くようにとんでもない事を言う。
そ、それは展開が早すぎるだろ...
「ゆうくん...好き、好きだよぉ...」
「っ〜‼︎」
そんな感じが10分ほど続き、やっと風呂に入れた。
「はぁ...」
可愛い子と付き合えて幸せだが、意外にも疲れる。
愛梨沙は俺に対しての愛が少し重いのだ。
まあ愛梨沙からの愛を感じれるのは幸せだからOKなのだが。
「ゆうくん!背中流すね!」
愛梨沙はタオルに軽く泡を出して、背中を洗ってくれる。
「ありがとう愛梨沙」
「ううん!全然いいよ!」
愛梨沙は明るい声で言う。
普段の暗い様子からは考えられないくらい明るい。
「ねぇ?私、可愛い?」
「ああ、すっごく可愛いと思う」
「えへへ、そっかそっかぁ」
愛梨沙は顔は見えないが、心底嬉しそうにしているのは間違いなかった。
「そろそろ寝るか」
その後、俺が自分の部屋へ戻り、1人寝ようとしていたその時
コンコン
と、俺の部屋の扉がノックされる。
「ゆうくん、入っていい?」
声の主は愛梨沙だった。
「いいよ」
俺はドアを開け、愛梨沙を迎える。
「どうした?」
愛梨沙はピンクのパジャマで身を包み、いつも学校でかけている黒縁メガネではなく、縁が細く青っぽいメガネをかけていてとても似合っている。
「一緒に寝よ?」
「い、一緒に⁉︎寝るのか⁉︎愛梨沙と⁉︎」
「うん、いや...?」
くっ...そんな悲しそうな顔をするなよ...
愛梨沙は目に涙を浮かべながら、悲しそうに俺を見る。
こんなことをされると、流石に断れない。
むしろこんなお願いは断りたく無いものだ。
「い、いやじゃないよ、俺も嬉しい」
「ホント?じゃあ入っていいかな?」
「どうぞ」
「わーい!」
愛梨沙は悲しそうな表情から一変し、ぱあっと明るい笑顔を浮かべる。
「ゆうくんと同じベッド...ちょっと狭いね」
俺と愛梨沙はお互い身を寄せながらベッドに入っている。
「愛梨沙、もうそろそろ寝る?」
「うん、明日学校だし」
「じゃあ、電気消すよ?」
「お願い」
俺は電気を消して、目を瞑る。
「すうーっ、すぅー」
しばらくすると、規則正しい寝息が愛梨沙から聞こえてくる。
(愛梨沙はもう寝たのか...)
今日は色々あったし疲れているのだろう。
告白もしてくれたし...
「むぅ...ゆうく〜ん...」
「っ⁉︎」
俺の名前を呼びながら、寝返りをうった愛梨沙はなんと俺の頭を胸で抱きしめる。
「あ、愛梨沙...?」
「んん〜...ゆうくん...」
まずい...愛梨沙のすごくいい匂いが俺の鼻をくすぐり、胸の柔らかさもあり俺の中の男を覚醒させる寸前だった。
(くそ...早く朝になってくれ...)
「おはよう!ゆうくん!」
「ぁあ?おはよう...?」
結局昨日は2時間ほどしか寝れていない。
俺はだるい体を起こし、愛梨沙を見る。
愛梨沙は俺と目が合うととても嬉しそうな顔をしていた。
「何かあった?」
「ううん、ただ目が覚めると好きな人がいるってこんなに幸せなんだなぁ〜って!」
「あ、愛梨沙⁉︎」
愛梨沙は心底幸せそうな笑顔を浮かべ、俺に抱きついてくる。
だが、愛梨沙はすぐに俺に抱きつくのをやめてしまう。
「じゃ、ご飯もう出来てるらしいから行こっか?」
「あ、うん...」
俺は昨日あんなに愛梨沙を味わったが、離れて行ってしまった愛梨沙をまだ名残惜しく感じる。
「学校ではそのスタイルで行くんだな...」
俺は愛梨沙と一緒に学校へ行こうと思い、玄関で待っていると、愛梨沙はいつも学校で見る根暗なオーラを纏う愛梨沙へ変身していた。
「うん...流石に学校でのイメージを変えるのはまだ勇気が...」
「そっか、じゃあ俺と朝はどうする?」
「い、行きたい!でもそれじゃゆうくんに迷惑が...」
「迷惑?なんで?」
ただ一緒に学校へ通うだけなのに迷惑など掛かるわけがない。
「いや、えっと、陰キャと歩いてるなんて知られたらゆうくんの友達に...」
「はぁ...そんなことか、別に構わないよ、俺は愛梨沙と行きたい」
「っ〜⁉︎あ、朝からドキドキさせないでよ〜...」
愛梨沙はその長い前髪で隠れていてもわかるくらい顔を真っ赤に染めていた。
結局、一緒に行ったものの校門あたりで愛梨沙が流石にここからは。と言い先に教室へ行ってしまった。
「おはよう、遊星!」
「ああ、おはよう」
教室へ入ると、1人の女子が話しかけてくる。
彼女の名前は森佐倉(もりさくら)。
身長は俺より少し下で、小さく可愛い見た目から一部の男子から絶大な人気を誇る。
実際見た目も可愛く、仕草もとても可愛いので女子にもかなり人気があるいわゆる陽キャ女子だ。
そんな彼女だが、なぜか俺に絡んでくるのが多い気がする。
まあおそらくただの気のせいなのだろうが。
「今日の体育ペアでやるみたいだから一緒にやらない?」
「うーん、まあ、いいけど」
「ホント?やった!約束だよ?」
「うん、わかったよ」
その後、先生が来るまで俺たちは会話を弾ませていた。
そして、来たる体育の時間。
「遊星!やるよ〜!」
「おう」
俺たちはペアを組む。
今日はバレーボールの練習らしく俺と佐倉はラリーの練習をした。
「行くよ〜!えいっ!」
彼女は見かけによらずかなりの速さの球を打ってくる。
「はいっ!...あっ」
俺はその速さの球を受けれず、ボールは床に落ちてしまった。
「ドンマイドンマイ!次サーブよろしく!」
「わかった!」
こんな感じで俺たちは普通にラリーを続けていた。
しかし、気のせいだろうか...どこからか視線を感じた。
「以上でホームルームを終了する」
そして、学校が終わり俺は足早に帰る愛梨沙を追いかけようとさっさと支度を済ますが
「遊星!途中まで一緒に帰ろぉ?」
「えっ?あ、うん、いいけど」
流石に陽キャのお願いを断るほど俺は度胸がない。
それに佐倉は可愛いので、周りの男子からの視線がかなり痛いのだ。
なので、途中まで一緒に帰ることにした。
「今日の数学すごく難しく無かった?」
「あ〜、確かに」
「遊星もそう思うよね、ねぇ今度一緒に勉強しない?」
「まぁ今度でもしようか」
「約束だよ!じゃ、私こっちだから」
そう言うと佐倉は俺とは違う方向へ小走りで向かっていく。
(俺も走るか...)
帰ったら可愛い彼女が待っててくれるはず。
俺は期待を胸に駆け出したが、帰ると彼女は何やら怒っていた。
「ど、どうかした?愛梨沙」
「どうかした?じゃないでしょ!」
「えーっと...」
俺は愛梨沙がどうして怒っているのかわからない。
「ゆうくん!あなたは1つ許されない罪を犯しました!」
「つ、罪?」
お、俺は気づかないうちにそんな事をしてしまっていたのだろうか。
「うん、ゆうくんは罪を犯した、それは
...浮気!!!」
「...え?」
俺が浮気?そんな事するはずがない。
いや、むしろこんな可愛い彼女がいて浮気をするということは不可能に近い。
「な、なんの冗談だよ」
「まだそんな事を言ってる!認めないの?」
本当に何のことだか俺には全く心当たりが無い。
「今日の学校!私以外の女と話してた!しかも体育の時間にペア?浮気以外ないでしょ!!!」
「...?」
あれが浮気?喋っているだけじゃないのか?
「あ、愛梨沙?あれはただの会話だよ」
「違う!ゆうくんに話しかける女はみんなゆうくんを口説こうとしてるだけ!!!」
それはかなりひどい妄想だ...
とはいえ愛梨沙を不快にさせたなら申し訳ない。
「悪かった、どうすれば許してくれる?」
「今後一切!私とママ以外の女と喋るのは禁止!!!」
「えぇ...」
流石にそんな事をしていたら俺の学校での立ち位置は一気に崩れてしまう。
「だ、だったら愛梨沙だって俺と父さん以外の男と喋るのは禁止だぞ?」
「喋ってないもん!!」
...そうでした。彼女は実際今日男子...というより他の生徒と喋っているところを俺は見ていなかった。
ど、どうしたものか...このままだと本当に女子と喋るのが禁止になってしまう。
「あー!まだ女と喋る事考えてるんでしょ?!こんなことはしたく無かったけど...ゆうくんがそんなだから仕方ないよっ!!」
ガチャン!
「え?おい、これって」
愛梨沙は突然俺の両腕を拘束し、近くへ括り付ける。
「あの...愛梨沙さん...?」
「ゆうくんが私しか見れないように...私の良さを教えてあげる」
ふふ、と不敵に笑った愛梨沙を見て、俺は少し寒気を感じた。
さっきから思っていたが、愛梨沙はかなりヤンデレ気質がある。
「や、やめてくれよ愛梨沙...」
「ゆうくぅん...はぁ..しゅきぃ...」
「っ⁉︎」
愛梨沙は耳元で俺への愛を囁いてくる。
その甘い声に俺は刺激され快楽が襲ってくる。
「ふふ、気持ちよさそうだね...もっと気持ちよくしてあげるね...はむっ」
「うっ⁉︎」
愛梨沙がそう囁いた後、さっきよりすごい快楽が押し寄せてくる。
なんと、愛梨沙が耳を舐め始めたのだ。
「あ、愛梨沙...やばいから..一旦やめて..」
「だぁめだよ...もぉっと私を好きになってもらわないとね...」
「っ⁉︎」
愛梨沙はそのまま俺の唇を奪う。
「ちゅ..はふっ...んぁっ...ゆ..くん...」
(や、やばい)
愛梨沙はただキスをしただけではなく、舌まで入れてきた。
すると、先程までとは比べ物にならないほどの快楽と幸福感に俺は包まれる。
「あ、ありふぁ...」
「ふふ、だんだん目の色が変わってきてるよ?もう私しか見えてないのかな?じゃあこれでどう?」
愛梨沙はそう言って俺の顔に胸を当ててくる。
「あ、愛梨沙...」
愛梨沙の胸は柔らかいが、まだ胸に顔を埋めたわけじゃ無いのであまり感覚が味わえない。
「もっと私の胸を感じたいならさっきの約束守ってもらわないとね?」
「わかった、守る!守るから...」
俺は早く愛梨沙を感じたいということで頭が一杯になっていた。
「ふふ、いいよ?じゃあ、私の体...堪能して?」
そう言って、愛梨沙は俺の拘束を外す。
俺は逃げる事はせず愛梨沙を押し倒す。
「愛梨沙..好きだ...」
「私も...もう私以外はダメだからね?」
「わかってるよ...俺にはもう愛梨沙しかいない...」
こうして、俺は愛梨沙に溺れてしまった。
だがそれを後悔はしていない。愛梨沙に溺れて愛し合う事で俺はこれ以上ない幸せを感じていた。
俺は愛梨沙から他の女に目移りすることは無いだろう。
なぜなら愛梨沙より、魅力的な女性はこの世に存在するはずがないのだから...
「ゆうくん、これからは身の回りのこと全部してあげるからね...」
行為を終えると、急に眠気が襲ってきて俺は意識が遠のいていく。
「ご飯もお風呂も着替えだってそう!全部...全部してあげる!そして..私がいないと何もできないほどに愛してあげるからね...」
あとがき
続編を書こうか迷っているので、よければ意見などや、星評価ハートもぜひお願いします!
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