駆け出し冒険者、スライム依存症になりスライムナイトにジョブチェンジ

御影

駆け出し冒険者、スライム依存症になりスライムナイトにジョブチェンジ

僕はテイム。

駆け出し冒険者だ。「さて、と」

僕の目の前には一匹の魔物がいる。

人間の大人くらいの大きさで、全身は赤茶色をしており、その体表からは湯気が立っている。

頭部はまるでワニのようで、口元からスライムが溶け出ている。

「ひ、ひぇー!」

はっきり言って気色悪い! こいつは『ボア』という魔物だ。

僕は今、街道を進んでいる最中なのだけれど、そこに突如として現れたのだ。

そして、いきなり襲い掛かって来た。

どうやらこの辺りでは珍しくもない存在らしく、周囲の人々は慌てふためく。

そして僕は、『ボア』の吐き出したスライムに塗れる。

「う、うわぁー!」気持ち悪すぎる! 急いで服を脱ぎ捨てると、そのまま川へと飛び込んだ。

幸いなことに水は温かく、僕はすぐに頭まで浸かることが出来た。

そうして一息吐いたところで、ふと思い出したことがある。……あぁそうだ。

(確か、身体に付着すると極めて強い依存性を発揮するんだった…うっ!)

始まった。

僕は深くスライム依存状態になった。

それから数ヶ月…

「ぼ、ぼあぁ…」

僕はあの魔物を探していた。

「ぼあぁ……」

あの魔物のスライムと同化すれば、依存状態は解消される

だから僕は…

「ぼあぁ……」

でも、どこにもいない。

「ぼあぁ……」

もしかしたらもうどこかに行ってしまったのかもしれない。

「ぼあぁ…どこぉ…」

しかし、同化すればもう人間には戻れない。

しかし、それをはるかに超える快感を得ることができる。だが、僕にとって一番大切なものは何か? それは家族であり、友人である。

「ぼあぁ……」

ならばどうするべきか。答えは一つしかないだろう。

「ぼあぁ……」

さようなら。

こうして一人の青年が消え去った。

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駆け出し冒険者、スライム依存症になりスライムナイトにジョブチェンジ 御影 @ougasun

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